「ディズニークルーズ」が日本でも就航へ、オリエンタルランドが3300億円を投じる「脱・舞浜依存」の一手

AI要約

オリエンタルランドが新たなクルーズ事業に参入することを発表。船旅を楽しむための巨大クルーズ船を建造し、2028年度に就航予定。料金は10万~30万円で、テーマパークのような船内設備を備える。

日本籍クルーズ船の中で最大規模の船を建造予定。総トン数14万トン、客室数1250、乗員定員4000人。ディズニー社のクルーズ事業をベースに展開し、クルーズ市場で台風の目となりそう。

ディズニー社は79億ドルの売上高を持つクルーズ事業を展開。5隻の船を運航し、さらに3隻が就航予定。日本籍クルーズ船に革新をもたらす一大プロジェクトとして期待される。

「ディズニークルーズ」が日本でも就航へ、オリエンタルランドが3300億円を投じる「脱・舞浜依存」の一手

 東京ディズニーシーの開業からまもなく23年。オリエンタルランドが新たな事業として目をつけたのは、またもや「海」だった。

 オリエンタルランドは7月9日に会見を開き、船旅を楽しんでもらうクルーズ事業に参入すると発表した。船を新たに建造し、2028年度の就航を目指す。投資総額は3300億円を見込む。「舞浜の海を越えて、新しい可能性がある冒険の旅へと出航します」。髙野由美子会長兼CEOは、そう宣言した。

 まずは首都圏の港発着で、2~4泊のショートクルーズを運航する。船内はテーマパークそのものとなりそうだ。ディズニーキャラクターとのふれあいができるのはもちろん、プール、ジム、エステなどを設ける。

 料金は一般的な客室だと1人あたり10万~30万円とする予定。東京ディズニーリゾートと同じようにファミリー層や若年層、訪日外国人旅行者の利用を想定している。

【写真】クルーズ船のイメージ。客室、レストラン、エントランスホールなど、船内はディズニーらしさがあふれている(10枚)

■日本籍クルーズ船の中では巨大船

 現在、国内を運航する日本籍クルーズ船は郵船クルーズの「飛鳥Ⅱ」、商船三井クルーズの「にっぽん丸」の2隻のみ。この2社は2024年12月以降、「飛鳥Ⅲ」と「MITSUI OCEAN FUJI」を投入する。だが、国内クルーズ市場における台風の目は間違いなくオリエンタルランドになるだろう。

 同社が建造するのは日本籍船の中で超巨大船となる。総トン数14万トン、客室数1250、乗員定員4000人を予定する。いずれも現在、日本籍船で最大の飛鳥Ⅱを約3~4倍上回る。

 新造船のベースはアメリカのウォルト・ディズニー社の「ディズニー・ウィッシュ」となる。

 ディズニー社は1998年からクルーズ事業を手がけている。同社の決算資料によると、ホテルやクルーズで構成されるリゾーツ&バケーションズセグメントの売上高は79億ドル(約1.2兆円)を超えている。

 事業のスケールも大きく、バハマ諸島にある島「キャスタウェイ・ケイ」を所有しており、クルーズの寄港地としている。現在は5隻の船を運航しており、さらに3隻が就航する予定だ。