高まる「AI出遅れ組」逆襲への期待、超大型テク株の息切れ先読み

AI要約

ウォール街で注目されているAIトレードにおいて、大型株以外の銘柄が物色の対象となっている。

出遅れ組の株価が低く、センチメントと利益見通しが良い銘柄が注目を集めている。

一部のアナリストは、上期にアンダーパフォームした銘柄の中には、今後の成長が期待されるものもあると指摘している。

高まる「AI出遅れ組」逆襲への期待、超大型テク株の息切れ先読み

(ブルームバーグ): ウォール街では、人工知能(AI)トレードで次の足掛かりをつかもうと、注目の大型株以外の銘柄へと物色の対象が広がってきた。

ここ1年半に破竹の勢いで株価が駆け上がってきた「マグニフィセント・セブン」が息切れしつつあるとの読みから、一部の投資家はメリウス・リサーチが「AI出遅れ組 」と呼ぶ銘柄に目を向けている。これにはインテル、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、IBMが含まれる。AIへのエクスポージャーを持ちながら、今年上期に最大のAI勝ち組の快進撃についていけなかった銘柄だ。

上記3社はいずれもここ1カ月にアウトパフォームする一方、AIの申し子であるエヌビディアは同期間に小幅下落した。17日の取引では、半導体株が軒並み安の展開。半導体製造装置大手の東京エレクトロンやオランダのASMLホールディングなどの企業が先端半導体技術へのアクセスを中国に提供し続ける場合、利用可能な最も厳しい貿易制限措置の利用を検討しているとバイデン米政権が同盟国に伝えたとのブルームバーグ報道が材料視されている。

米、対中半導体規制でさらに厳しいルール検討と同盟国に警告-関係者

重要な点として、出遅れ組のバリュエーションは割安で、かつセンチメントと利益見通しに関してクリアすべきハードルが低い。つまり、これらの銘柄は今年下期に極めて望ましい位置にあると言える。

メリウスのアナリスト、ベン・ライツェス氏は「半導体やハードウエア、ソフトウエアでさえも、期待値の低い一部の銘柄については『キャッチアップ 』トレードを確信している」と今月のリポートで指摘。2023年にも同じようなパターンが見られ、上期の出遅れ組が下期に健闘したと続けた。

同氏はまた、上期にアンダーパフォームした銘柄のリストにアップルを加えた。アップルの株価は、他の出遅れ組へのローテーションに先行して4月以降は回復基調にあるが、待望のAI新機能を先月発表してからは特に騰勢を強めている。