メキシコ・ペソ下落、暗殺未遂事件でトランプ氏復権の予想強まる

AI要約

メキシコ・ペソが売り圧力にさらされている理由として、トランプ前米大統領の返り咲きの可能性が挙げられている。

ペソは一時1.3%安となり、予想変動率も上昇したが、トランプ氏の選挙公約や左派与党の圧勝による国内政策変更の影響を受けている。

トランプ氏の再選がペソの見通しに影響を与えるとの懸念があり、ドル買いはトランプ関連の戦略の一環としてペソに影響を与えている。

(ブルームバーグ): 外国為替市場でメキシコ・ペソが売り圧力にさらされている。今週末の暗殺未遂事件を受け、トランプ前米大統領が返り咲くとの見方が運用担当者の間で強まった。

ペソは一時約1.3%安となった後、下げ幅を縮小して1ドル=17.8ペソ。予想変動率を示す指標は急上昇した。ペソは、トランプ氏の選挙公約と、先月の議会選で左派与党が圧勝したことに伴う一連の国内政策変更という二重の脅威に直面している。

ウェルズ・ファーゴのマクロストラテジスト、アループ・チャタジー氏(ニューヨーク在勤)は「トランプ氏が返り咲いた場合、ペソの見通しにわれわれは弱気だ」と指摘。同氏が掲げる広範な関税案や移民規制強化を求める訴えは相場下落を引き起こすことも多いが、「6月の選挙を受けたメキシコ国内情勢をより強く懸念していることに変わりはない。選挙によって急進的な制度改革に道が開かれた」との見方を示した。

ドル買いはいわゆる「トランプ・トレード」の一環。前大統領の2期目が貿易保護主義、インフレ圧力、大幅な財政赤字などにつながり、期間長めの債券相場が下落して米国債のイールドカーブがスティープ化することに賭けた戦略のことで、ペソに逆風となっている。

原題:Traders Ditch Mexican Peso as Attack Lifts Trump’s Election Bid(抜粋)

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