JALとブリヂストン、タイヤ摩耗予測技術をエアバスA350-900型機など大型機へ対象拡大

AI要約

日本航空(JAL)とブリヂストンは、タイヤ摩耗予測技術を活用した計画的なタイヤ交換オペレーションの拡大を発表。

タイヤ交換業務の効率化とCO2排出量削減に貢献し、整備士の働き方改革にも寄与。

両社の取り組みはDX事例の最たるものであり、新たな価値を創造することで航空技術の発展と社会貢献を目指す。

JALとブリヂストン、タイヤ摩耗予測技術をエアバスA350-900型機など大型機へ対象拡大

■ 航空機整備の効率化・働き方改革とCO2排出量削減を加速

 日本航空(JAL)とブリヂストンは7月17日、タイヤ摩耗予測技術を活用した計画的なタイヤ交換オペレーションを、2024年5月からJALが運航するエアバスA350-900型機をはじめとする大型機へ対象を拡大すると発表した。

 両社は、2020年5月よりジェイエアが運航するリージョナル機を対象に、JALの航空機に関するフライトデータや知見と、ブリヂストンのタイヤに関する摩耗予測技術や知見を組み合わせ、交換時期を精度高く予測することで、計画的なタイヤ交換オペレーションを開始した。

 約4年にわたる運用の中で、タイヤ交換業務の効率化、およびタイヤ・ホイールの在庫平準化・削減を実現し、またそれらと連動した生産・使用過程でのCO2排出量の削減に寄与しているという。加えて、タイヤ交換の「計画」 業務化の結果、整備士の予定外残業を削減する働き方改革や、予防整備の拡充による整備業務の品質向上に貢献する。

 航空機用タイヤは、安心・安全を守ることを大前提として、重荷重・高速度・高温~低温の幅広い温度帯など、過酷な状況下での航空機の離着陸を支えていて、数百回の離着陸の後に摩耗に伴いタイヤ交換が必要となるが、航空機や空港などそれぞれの使用環境によってタイヤの摩耗進展速度が異なるとし、そのため、計画的に交換時期を予測しにくく、突発的なタイヤ交換の発生や交換時期が集中してしまうなど「非計画」業務となっていた。

 今回、これまでに培った両社の知見をもとにタイヤ摩耗予測技術と活用法をさらに進化させ、精度の高い計画的なタイヤ交換オペレーションの対象を従来のリージョナル機から大型機へ拡大した。

 日本航空 常務執行役員 整備本部長 田村亮氏は「一見簡単そうに思えて、実はとても難しいチャレンジであるこの取り組みは、当社におけるDX事例の最たるものであり、ブリヂストン様の知見やデジタル技術の活用により職場環境の改善・効率化と安全・安心の作り込みに大きく貢献いただいていることに感謝を申し上げます。今後も両社の協業をさらに発展させ、新たな価値を創造することで航空技術の発展と社会への貢献を果たしてまいります」。

 ブリヂストン 常務役員 G-MICA管掌(グローバル鉱山・産業・建設・航空タイヤ・ソリューション事業)田村亘之氏は「JAL様との協業を通じて得られた現場で働く皆さまからの学びや気づきといったリアルとデジタル技術を組み合わせることで、タイヤ交換オペレーションの生産性・経済価値の最大化やサステナビリティへ貢献できることを大変喜ばしく思います。引き続き、両社での共創をベースに社会価値・顧客価値を増幅し、当社の企業コミットメントである「Bridgestone E8 Commitment」※1で掲げる、「Efficiency」、「Ecology」、「Empowerment」にコミットしていきます」。