婚活で「年収600万円」の女性と出会いました。2人で「年収1200万円」ですが、結婚後は“パワーカップル”として暮らしていけますか? 将来的には子どもも考えています

AI要約

共働き夫婦やパワーカップルにおける世帯年収や支出について述べられています。高収入を得る夫婦の生活安定度や子育て時の課題、将来の生活設計などが重要なポイントとして指摘されています。

世帯年収が1200万円の高収入夫婦の場合、一般的な家計支出の比較や子育て時の収入減少リスクが考慮されています。将来的な生活設計やパートナーシップのあり方も検討が必要と強調されています。

パワーカップルである共働き夫婦に身を置く場合、収入面と家庭面のバランスを保つために労働時間や子育て支援の検討が必要であることが示唆されています。

婚活で「年収600万円」の女性と出会いました。2人で「年収1200万円」ですが、結婚後は“パワーカップル”として暮らしていけますか? 将来的には子どもも考えています

夫婦の両方が高収入を得ている共働き夫婦をパワーカップルと呼びますが、その明確な定義はありません。実際に、共働きで世帯年収が高いほど生活の安定度が高いことは間違いありません。

しかし、夫婦どちらも高収入であるパワーカップルにも課題はあります。例えば、将来的に現在の収入を維持しながら子どもを育てることができるのかといった点も考慮する必要があります。

世帯年収については、厚生労働省から国民生活基礎調査というデータが公表されています(図表1)。国民生活基礎調査によると、世帯年収1200万円は上位10%に入るレベルとなっており、平均所得金額は545万7000円、中央値は423万円なので、平均的な世帯と比較すると2倍から3倍程度の収入があることがわかります。

※この資料では、所得は給料や賞与の合計金額で税金や社会保険料を含む金額となっているので、年収と同義と仮定します

図表1

厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況

また、国税庁の民間給与実態統計調査によれば、女性で年収600万円を超える割合は10%以下です。そのため、今回の世帯年収1200万円の場合、女性側の年収の高さが世帯年収の高さに大きく寄与しているといえます。

今度は支出の面から考えてみましょう。図表2は総務省統計局の家計調査年報(2022年)のデータです。2人以上の世帯の家計収支を見ると、税金や社会保険料などの非消費支出と、一般的な家計の支出である消費支出の合計金額は月々約45万円です。

図表2

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年

世帯年収が1200万円の場合、1ヶ月の収入は約100万円ですので、十分な余裕があります。仮に東京都内のような大都市圏でも問題なく暮らしていけるでしょう。

一方で、将来的に子どもを育てることを考えている場合には注意も必要です。まず、子どもを希望する場合、一時的にでも妻の収入が減る(もしくはなくなる)可能性が非常に高くなります。これに加えて、子どもの教育費や生活費が上乗せされます。

特に今回の場合は、夫婦ともに年収600万円ですので、世帯収入の半分を占める妻の収入減による影響はかなり大きいと予想されます。

逆に、妻の年収がほぼ減らないケースを考えてみましょう。夫婦ともに年収600万円であれば、責任ある立場であることも多く、フルタイムの労働や残業なども当然あるでしょう。

この場合は、収入に問題がなくても子育て時間が取りにくくなるという課題が出てくる可能性が高くなります。そのため、例えば、お互いの両親が近くにいればサポートしてもらう、子育てのサービスを利用するといった対策を検討しておくことも大切です。

子育ての際には、状況によっては世帯年収が減少することも考えられます。パワーカップルであり続けることは家計が安定しやすいメリットがありますが、子育てなどを考える場合、必ずしも最良の選択とは限りません。将来の生活を想像しながら、場合によっては働き方の見直しも検討する必要があるでしょう。

出典

厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況

国税庁 民間給与実態統計調査

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年

執筆者:御手洗康之

CFP、行政書士