「世帯年収1000万円はもはやパワーカップルではない」と同僚に言われました。共働きの世帯年収はみんな1000万円以上なのでしょうか?

AI要約

世帯年収1000万円台について、平均世帯年収との比較、パワーカップルの定義、3つのケースを考察。

平均世帯年収は約732万円で、平均世帯人員や消費支出などが影響することを説明。

パワーカップルの条件として、夫婦それぞれが平均以上の年収を稼ぐことが重要であることを述べる。

「世帯年収1000万円はもはやパワーカップルではない」と同僚に言われました。共働きの世帯年収はみんな1000万円以上なのでしょうか?

私は年収500万円、妻は400万円です。もうすぐ世帯年収1000万円に届くので喜んでいたら、同僚から「今の時代、世帯年収1000万円台はパワーカップルとはいえない」と言われたそうです。世帯年収の平均はいくらなのか、FPと一緒に見ていきましょう。

総務省が公表している「令和5年 家計調査報告(家計収支編)」によれば、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の1世帯あたりの平均月収は約61万円、年収にすると約732万円所得税・社会保険料を差し引いた可処分所得では約49万円、年間では約588万円です。

この数値だけを見ると、年収1000万円は平均をかなり上回っていますが、家計調査報告の勤労者世帯のプロフィールは、平均世帯人員3.23人、世帯主の平均年齢50.4歳、平均有業人員1.78人です。消費支出は子どもが何人いるのか、何歳なのかによって大きく変わりますので、「平均値」という参考値としてとらえておいたほうがいいかもしれません。

では、年収がいくら以上になれば「パワーカップル」といえるのでしょうか? カップルという言葉から、夫婦のいずれもが平均以上の年収を稼いでいると考えるべきで、先ほどの家計調査でいえば、夫婦それぞれが平均世帯年収730万円以上となればパワーカップルといえるかもしれません。

ここで3つのケースを取り上げてみましょう。

1. 夫の年収は1500万円だが、妻は専業主婦の場合

2. 夫の年収が1000万円、妻が500万円の場合、

3. 夫・妻の年収がともに750万円場合

ここでパワーカップルといえるのは、3のケースと考えるのが妥当でしょう。

ケース1では、夫1人の年収に家計が依存しているためパワーはあるが、主体が「カップル」ではない。

ケース2では、夫の年収のパワーは十分だが、妻は500万円で、仮に妻1人で家計を運営していくには余裕があるとはいいづらい。

ケース3では、どちらかに就労が困難な状況が生じても、家計を運営していくだけの余裕がある。具体的には、それぞれに経済力があり、2人の年収を併せた場合、平均年収を大きく上回ること、そして1人の年収の場合よりも2人がそれぞれ750万円の年収ならば享受できる税法上のメリットもあります。