テスラ、大量の人員採用進める-大規模削減を発表してから3カ月

AI要約

米テスラが800人の新規雇用を計画しており、株価は好調な展開が続いている。

求人情報からは、同社の採用活動の全体像が見え隠れしているが、人型ロボットやAI関連の職種が中心である。

マスク氏のビジョンに基づく人員採用で、テスラはAIやロボット工学、持続可能エネルギー企業としての地位を固めつつある。

(ブルームバーグ): 電気自動車(EV)メーカーの米テスラは、800人近くを新規に雇用する方針のようだ。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は3カ月前に、同社史上最大規模の人員削減を命じていた。

ブルームバーグの分析によると、テスラのキャリア情報ページにはここ数週間に、人工知能(AI)スペシャリストから一般的なサービス業務に至る幅広い職種が掲載されている。

テスラの株価は好調な展開が続いており、過去14営業日中13日で上昇し時価総額が2230億ドル(約35兆円)余り拡大した。8月に予定していた自動運転タクシー「ロボタクシー」の発表を10月に延期するとのブルームバーグ報道を受けて1回下げただけだ。マスク氏は15日、設計変更を要請したとし、ロボタクシーに取り組んでいるチームにさらなる時間が与えられたことを確認した。

800人の雇用はテスラが今年削減した数千の人員には遠く及ばず、求人情報からは同社の採用活動の全体像は見えてこないかもしれない。しかし人材募集の情報は、オースティンに本社を置く同社に関するマスク氏の優先事項を一部垣間見せている。

5月時点でテスラのウェブサイトに掲載されていた求人はわずか3件だった。1-3月(第1四半期)の納車台数がアナリスト予想平均を大きく下回り、マスク氏は人員削減を推し進めた。

現在、テスラが募集している人材の多くは人型ロボット「オプティマス」などの製品向けのAIとロボット工学に焦点を絞っている。自動運転開発あるいは「オートパイロット」に関連する求人は少なくとも25件、オプティマス関連の求人は少なくとも30件に上る。

こうした大量の人員採用は、同社へのマスク氏のビジョンを反映しているだけでなく、削減し過ぎた分野に人員を戻す格好になる可能性が高い。同氏はテスラをEV企業というよりも、AIやロボット工学、持続可能エネルギー会社としてみていると語っている。

テスラにコメントを求めたが、返答は得られなかった。