米6月小売売上高、前月から横ばい 減少の予想上回る

AI要約

米国小売売上高は6月に横ばいだったが、基調は堅調であり、第2四半期の経済成長率の見通しを押し上げる可能性がある。

自動車、ガソリン、建築資材、外食を除くコア小売売上高は0.9%増と大幅に伸び、消費支出と密接に関連している。

一方、消費者は価格重視で基礎的な購買にとどめようとしており、多くの世帯が新型コロナウイルスの影響で貯蓄を使い果たし、クレジットカードの負債を抱えている状況が続いている。

米6月小売売上高、前月から横ばい 減少の予想上回る

[ワシントン 16日 ロイター] - 米商務省が16日発表した6月の小売売上高(季節調整済み)は前月比横ばいだった。ロイターがまとめた市場予想は0.3%減だった。

5月分は0.3%増と前回発表の0.1%増から上方改定された。

6月の小売売上高は横ばいだったものの、基調は堅調のため、2024年第2・四半期の経済成長率見通しを押し上げる可能性がある。第1・四半期の経済成長率は1.4%。第2・四半期の予想は小売売上高が発表される前は約2%となっていた。

6月の自動車、ガソリン、建築資材、外食を除くコア小売売上高は0.9%増と大幅に伸びた。5月は0.4%増だった。コア小売売上高は、国内総生産(GDP)統計に含まれる消費支出と密接に関連している。

ただ、大手小売りやメーカーの業績などからは、価格重視かつ基礎的な購買にとどめようする消費者の動向が読み取れる。米飲料・食品大手ペプシコのラモン・ラグアルタ最高経営責任者(CEO)は先週、低所得層は生活が「苦境に立って」おり、「月末までの生活費をやりくりするためにさまざまな工夫をしている」と指摘した。

多くの世帯は新型コロナウイルス禍で消費が滞ったことで生まれた貯蓄を使い果たし、クレジットカードの負債を抱えている。労働市場の需給が緩んだことで賃金の伸びも緩やかになっている。