フランスは経済ショックに「危険なほど無防備」=会計検査院

AI要約

フランスの会計検査院が財政の悪化と赤字の増加に警鐘を鳴らし、次のマクロショックに対する無防備さを指摘。

公的債務の増加により投資や支出が制限される状況で、債務返済のコストの増加に危機感を表明。

環境保護政策に必要な追加投資が不足しており、2030年までに600億ユーロの追加コストが発生する見込み。

フランスは経済ショックに「危険なほど無防備」=会計検査院

Sudip Kar-Gupta

[パリ 15日 ロイター] - フランスの会計検査院は15日、フランスでは財政が悪化し、赤字が1540億ユーロ(1680億ドル)に上っており、フランス経済は次のマクロショックに対して「危険なほど無防備だ」と警鐘を鳴らした。 

検査院はフランスにとって財政赤字の圧縮が極めて重要だと指摘。「実質的な構造改革が遅れたことで公的債務が雪だるま式に膨れ上がり、そのコストはますます大きくなっている。(このため)他の支出が妨げられ、投資を行う力が制限されて、新たなマクロ経済ショックに対して危険なほど無防備になっている」と危惧を示した。

モスコヴィッシ院長はラジオ番組で「われわれはすでに年間520億ユーロを債務返済に費やしている。2027年にこの金額は800億ユーロに増える見通しだ。これは教育、司法、安全保障、環境保護のための転換などに充てる資金を調達する余地がもうないということを意味している」と述べ、債務返済コストの増加に危機感を表した。

検査院は、フランスの公的資金調達計画に再生可能エネルギーの利用拡大など環境保護政策関連のコストが十分に織り込まれていないことが「主要なネガティブショック」だと指摘。こうした政策に必要な追加投資によって2030年までに年600億ユーロのコストが新たに発生すると見込んでいる。