ブラックロック運用資産、過去最高10兆6000億ドル-ETFに大量流入

AI要約

米ブラックロックは第2四半期に顧客資金を増やし、運用資産を過去最高の10兆6000億ドルに押し上げた。

成長が急速なETFへの資金流入が有機的成長をけん引し、プライベート市場分野での買収を通じて事業を拡大。

利益は前年同期比12%増加し、ウォール街の予想を上回った。

(ブルームバーグ): 資産運用最大手の米ブラックロックは4-6月(第2四半期)に、510億ドル(約8兆600億円)の顧客資金を長期投資ファンドに呼び込み、同社の運用資産残高を過去最高の10兆6000億ドルに押し上げた。

15日の同社発表によれば、顧客資金は上場投資信託(ETF)で830億ドル、債券全体で350億ドル増加した。

ラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は「プライベート市場やリテール向けアクティブ債券、そして年初来としては過去最高となったETFへの急激な資金流入が、有機的成長をけん引した」と発表文書で述べた。

キャッシュ・マネジメント・ファンドおよびマネー・マーケット・ファンド(MMF)への資金流出入は、300億ドルの入超だった。全体の純流入額は820億ドル。長期投資ファンドへの純流入額は、ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均860億ドルに届かなかった。

ブラックロックは幅広いアクティブ運用プロダクツとインデックスETF、ミューチュアルファンドを提供する「ワンストップ」の資産運用会社に自社を位置づけている。同時に、成長が速く利幅の大きいプライベート資産事業の拡大も進めている。グローバル・インフラストラクチャー・パートナーズを125億ドルで買収したことで、ブラックロックの資産は約1000億ドル増加し、インフラ投資会社のトップランクに躍進するとみられる。

ブラックロックは先月、プライベート市場のデータベース会社、英プレキンを25億5000万ポンド(約5200億円)で買収すると発表。この買収によって「プライベート市場のインデックス化」が可能になり、そのデータと分析を用いてオルタナティブ資産へのアクセスを広げられるようになるとフィンク氏ら経営幹部は述べた。

ブラックロック、英プレキン買収へ-プライベート市場分野強化

第2四半期の1株当たり純利益は10.36ドル。前年同期から12%増加し、ウォール街の予想平均9.93ドルを上回った。収入は前年同期比8%増の48億ドル。