RWAトークン化、暗号資産を上回る

AI要約

現実資産のトークン化が機関投資家の間で注目を集めている。ブラックロックなど金融大手もトークン化に参入し、効率的に資産を発行・管理・分配できることが期待されている。

セキュリティ・トークン・マーケットが600以上のトークン化製品を追跡し、代表的なファンドやベンチャーキャピタリストの事例を紹介。オンチェーンでの展開にはユーティリティがある。

トークン化されている資産は、株式、不動産、債券、LPファンド投資など多岐にわたる。

RWAトークン化、暗号資産を上回る

現実資産(RWA)のトークン化は、ブラックロック(BlackRock)などの金融大手が独自のトークン化資産でこの分野に参入するに伴って、機関投資家の間で人気が高まっている。

ブロックチェーンテクノロジーを活用することで、従来の資産、特にプライベートアセットやオルタナティブアセットを、オフチェーンに比べて、より効率的に発行・管理・分配できる。

セキュリティトークンのデータや分析を手がけるセキュリティ・トークン・マーケット(Security Token Market)は、2018年からこの分野を取り扱っている。600以上のトークン化製品の追跡から見えてきた、パフォーマンスといくつかのテーマを紹介する。

話題の「BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund(BUIDL)」は、機関投資家がトークン化されたMMF(マネー・マーケット・ファンド)にますます投資していることを示す代表例。BUIDLは6月、純流入額が5.93%増加し、AUM(運用資産残高)は4億8331万1326.32ドル(約773億円、1ドル=160円換算)となった。

このようなファンドをオンチェーンで展開することには、どのようなメリットがあるのだろうか?

その答えのひとつは、ユーティリティ。RWA基盤を提供するセキュリタイズ(Securitize)を通じてイーサリアムブロックチェーン上で発行されたこのトークンは最近、プライムブローカーのファルコンX(FalconX)で、ローンやデリバティブポジションの担保として使用された。

一方、ベンチャーキャピタルでは、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)のマイク・リード(Mike Reed)氏がトークン化カンファレンス「TokenizeThis 2024」で、あるベンチャーキャピタリストがトークン化されたMMFを使って投資先企業に資金を提供したいと述べた逸話を紹介した。

これは、彼が直接会社に利回り付きの資産を送り、それを会社で保有しつつ、理論的にはブロックチェーンの力のおかげで資金がどのように使われるかを見ることができるというアイデアである。

その他、概念実証(PoC)と実運用でのユースケースの両方を通じて、コスト削減とユーティリティが明らかになった例は他にもある。いくつか紹介しよう。

これらのユースケースを念頭に置くと、どのような種類の資産がトークン化されているだろうか? セキュリティ・トークン・マーケットでは、株式、不動産、債券、LPファンド投資などを取り扱っている。