「えっ……」EVシフトは今後どうなる!? 世界4位の自動車グループ「ステランティス」が ハイブリッド戦略を発表

AI要約

ステランティスは、2024年から幅広いブランドでハイブリッド(HEV)モデルを導入することを発表しました。

HEVの需要が高まっている理由やステランティスの計画、現行および登場予定のHEVラインアップについて紹介されています。

また、ステランティスが2030年までに電動化を進める計画やカーボンネットゼロ企業への取り組みなど、環境に関する取り組みも含まれています。

「えっ……」EVシフトは今後どうなる!? 世界4位の自動車グループ「ステランティス」が ハイブリッド戦略を発表

 ステランティスは2024年7月9日、欧州のユーザー需要を満たすため、今後幅広いブランドでハイブリッド(HEV)モデルを採用すると発表しました。

 ステランティス グループは、現在プジョー、シトロエン、DS、フィアット、アバルト、アルファロメオ、ランチア、クライスラー、ジープ、ダッジ、オペル、ボクスホールなど、14ブランドで構成される、販売台数世界第4位の自動車メーカーです。

 現在、ヨーロッパではハイブリッド車(HEV)への注目が高まり、ステランティスではその受注増加に対応しています。

 フル電動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)よりも手ごろな価格で、CO2排出量の削減を確保しながら、優れた運転体験を提供するため、HEVの人気が高まっているのです。

 ステランティスは、今年30のHEVモデルを提供し、2026年までにさらに6つのモデルを導入する予定です。

 2023年と比較して、ステランティスのHEVは2024年の売上高が41%増加しました。今後、新しいHEVが登場すれば、顧客獲得率はさらに増加するでしょう。

 ステランティスは、A/Bセグメントの小型商用車では、BEV、FCEV(燃料電池自動車)、PHEV、HEVを含む低排出ガス車の販売リーダーなのです。

 また、ハイブリッド技術を進歩させるということは、従来のエンジンの効率と性能を向上させるだけでなく、低排出ガス、車両の航続距離の延長、そして手ごろな車両価格という未来に向けて推進していくのです。

 ステランティスの現行および登場予定のHEVラインナップを紹介しておきましょう。

●アルファロメオ:ジュニア、トナーレ

●シトロエン:新型C3、新型C3エアクロス、C4、C4X、C5エアクロス、C5X

●DS:DS3、DS4

●フィアット:パンダ、600

●ジープ:アベンジャー、レネゲード、コンパス

●ランチア:新型イプシロン

●マセラティ:グレカーレ

●オペル/ボクスホール:コルサ、アストラ、アストラ スポーツトゥアラー、モッカ、フロンテラ、新型グランドランド

●プジョー:208、308、308SW、408、2008、新型3008、新型5008

 ステランティスは、マルチエネルギー マニュファクチャリング フットプリントを活用して、さまざまな顧客の好み、運転ニーズ、車両サイズに適したオプションを確保することで、HEV、PHEV、BEVなど、さまざまな技術を提供しています。

 HEVは、ブレーキや減速中に失われる運動エネルギーを回収し、そのエネルギーはコンパクトで軽量なバッテリーに蓄えられ、加速中に再利用され、より効率的な運転に貢献します。

 HEVは扱いやすく、従来のエンジン車から運転スタイルを変える必要はありません。ステランティスでは電動デュアルクラッチ トランスミッション(eDCT)の採用により、とくに低速運転中はエンジンを停止させることができ、CO2排出量と燃料消費量を削減します。

 これは、誰もが手の届くところにあるイノベーションなのです。

 ヨーロッパで販売されているほとんどのステランティス製HEVには、最先端のeDCTと統合された21kWの電気モーターが備わっており、市街地などではモーターのみの駆動やシームレスでイージーな運転が可能です。

 48Vのシステムと0.9kWhのバッテリーは、最大1kmのモーター走行を可能にし、ブレーキング時にはモーターは発電機となりバッテリーに電気を供給します。

 eDCTを採用したハイブリッドのパワートレーンは、ATを搭載したエンジン車と比較して、CO2排出量を最大20%削減します。

 また、モジュール化によりコンポーネントの93%を共通としたため、PHEVにも対応し、BEVとはインバーターの変更のみで対応できます。

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 ステランティスは現在、ヨーロッパの工場の70%以上でHEVを生産しています。ステランティスとそのパートナーは現在、フランスのメスとイタリアのトリノでeDCTを生産し、11の工場に供給しています。複合生産能力は、年間120万基を超えています。

 ステランティスは2030年までに、ヨーロッパではBEV乗用車の販売100%を、米国ではBEV乗用車と小型トラックの販売50%を達成するという、「デアフォワード 2030」の目標を達成するために、10年間で世界中で500億ユーロ以上を電動化のために投資しています。

 これらの販売目標を達成するために、ステランティスは北米とヨーロッパのバッテリー製造工場からのサポートを含む、約400GWhのバッテリー容量を確保しています。ステランティスは2038年までに、残りの排出量の1ケタの割合で補償する、カーボンネットゼロ企業になる予定です。