パチンコ・パチスロの“交換率のルール”が変更。ホール関係者が「導入するつもりはない」と語るワケ

AI要約

パチンコ・パチスロホールに新たな景品提供方法のガイドラインが設定され、異なる交換率の導入が可能になった。

大手チェーンの営業統括部長は、地域やお客層によって異なる交換率の設定が必要か検討中。

パチンコとパチスロの交換率の変更について、専門家はお客の遊技スタイルや設定の影響を指摘。

パチンコ・パチスロの“交換率のルール”が変更。ホール関係者が「導入するつもりはない」と語るワケ

 パチンコ・パチスロホールには様々なルールがある。そのなかで交換率に関する「一物一価」という言葉をご存知だろうか。これはざっくり言うと「同一店舗においてはパチンコとパチスロの交換率を統一させる」というルールのこと。ところが先日、景品の提供方法に関するガイドラインが新たに制定され、パチンコとパチスロで異なる交換率の設定が可能となったのだ。

 そこで、関東近郊で十数店舗展開する大手チェーンの営業統括部長のA氏に、新ルールの詳細から自店での導入の有無について話を聞いてみた。

 今回、景品の取り揃えの充実と多様化を目的とし、パチンコ専用、パチスロ専用の景品の提供が認められた。これは一般景品だけではなく特殊景品にも適用されることで複数の交換率を設定できるようになったのだが、これはホールからすると歓迎できることなのだろうか。

「まあ地域によるんでしょうね。すでに導入しているホールさんもあります。ただ、あるホールさんがパチンコはそのままでパチスロを11割(5.5枚交換)にして、パチスロの交換率を下げていたのは意外でした。導入するとしたら逆のパターンで、パチスロは変えずにパチンコを下げると思っていたので。ウチはすでに11割で営業しているので、今のところ変える気はないですね」

 たしかに、人気が回復し勢いを増しているパチスロを等価交換にして射幸性を高めた方がホールとしては売上増につながりそうではあるが、そのようにはしない理由をA氏はこう予想する。

「すでに導入している地域って、交換所で手数料を取っているところもあって、お客さんが換金ギャップに慣れています。それと、基本的に郊外店が多いから長時間打って粘るというスタイルのお客さんが多い。実際、一人当たりの遊技時間が他の地域より長いというデータもあるんですよ。多少交換率を下げてもその分高設定が入るならお客さんも納得する。だから成立するんじゃないですかね」

 さらに、スマスロの登場で出玉性能が高くなったことも多分に影響していると語る。

「パチンコは思いっきり出したり、回収したりできますが、パチスロは設定で出玉率が固定されているじゃないですか。要は設定1以上にお店が儲けることはできない。パチンコは今のままでも儲かるからそのまま、パチスロは性能が上がって回収しづらくなったから“交換率を下げて利益を取る”ってことだと思いますよ」