ＨＳＢＣが悲観的カタール経済予想を撤回、個人の見解と強調－関係者
英銀HSBCホールディングスがカタール経済に関する悲観的なリポートを撤回し、より楽観的な見通しを示したことが明らかになった。
最初のリポートが公表された後、HSBCの上級幹部らがカタール主要組織のトップらに接触し、リポートは個人の見解であることを強調した。
HSBCは重要な市場であるカタールに進出した銀行であり、今回の出来事は国内外での関係構築の難しさを示す一例となった。
（ブルームバーグ）： 英銀ＨＳＢＣホールディングスは今年、カタール経済を悲観的に評価したリポートを撤回し、より楽観的な見通しを示したリポートを数日後に出し直した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
この関係者によると、ドバイに拠点を置く株式セールストレーダーがカタール訪問後の５月にリポートを顧客に送った。関係者は情報が非公開であることを理由に匿名で語った。ブルームバーグ・ニュースが確認したコピーによれば、リポートには「かなり暗い図式だ」という地元投資家からのフィードバックが引用されていた。
リポートはカタールの不動産市場と株式市場の弱さに言及し、同国経済が「低迷している」と指摘していたが、顧客に送付後間もなく撤回されたという。ＨＳＢＣはその数日後、より強気な見方に基づく新たなリポートを発表した。
関係者の一部によると、最初のリポート公表後にＨＳＢＣの上級幹部らがカタール主要組織のトップらに接触した。少なくともそのうちの１回で、上級幹部らはリポートはＨＳＢＣの見解を反映したものではなく、このトレーダー個人の見解であることを強調したという。
ＨＳＢＣの広報担当者は、個別の従業員や顧客についてコメントはしないと述べた。
今回の件は、その国での人間関係を生かしながら事業を進めることが一部の国では困難なことを示す新たな例となった。ＨＳＢＣでは、元外交官の上級顧問が英政府の対中姿勢を批判した後で退任するというケースが１年足らず前にあった。
ＨＳＢＣはカタールに早くから進出した銀行の一つで、同行にとって重要な市場となっている。
原題：HSBC Said to Retract Trader’s Downbeat Memo on Qatari Economy（抜粋）
--取材協力：Farah Elbahrawy、Harry Wilson.
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