フランスの左派連合、首相候補選べず-マクロン氏は大連立呼びかけ

AI要約

左派連合「新人民戦線」は首相候補を選ぶことに困難を抱えており、意見の相違が問題となる。

マクロン大統領の中道派など他のグループから穏健なメンバーを引き抜く機会が出てきている。

左右両派の政党がマクロン大統領の大連立を拒否し、政治的まひ状態が続いている状況。

(ブルームバーグ): フランスの国民議会(下院)で最多議席を獲得した左派連合の「新人民戦線」は、団結して首相候補を選ぶことができずにいる。

誰を選ぶかよりも、グループ内の意見の相違の方が重要な問題かもしれない。マクロン大統領の中道派を含めた他のグループに、穏健なメンバーを引き抜く機会を与えることになるからだ。

緑の党のマリーヌ・トンデリエ党首は12日RMCラジオで「物事が行き詰まっているので、考えを広げて、異なる解決策を提案する必要がある」と述べた。社会党、緑の党、極左の「不屈のフランス」、共産党で構成される左派連合の外の誰かということもあり得ると述べた。

フランスは、7日の第2回投票の結果、国民議会が左派連合とマクロン大統領の中道勢力、マリーヌ・ルペン氏の極右の「国民連合(RN)」の3つの派閥に分裂。政治的まひ状態に陥っている。新人民戦線は最大派閥となっているが、過半数には程遠い。

左右両派の政党はマクロン大統領の大連立の呼びかけを拒否しているが、安定した政府を作るのに十分な議席数に近づくには、異なるグループ間の何らかの同盟が必要だろう。

マニュエル・ボンパール議員は12日のTF1テレビで、首相候補は左派連合内で最も多く議席を持つ政党から選出されるべきだと述べた。それは同議員が属する不屈のフランスのように見えるが、議会の勢力図が確定するのは来週になるだろう。同氏は、話し合いのスケジュールについて明言を避けた。

同氏とトンデリエ氏は共に、マクロン氏が地方紙に掲載された書簡で訴えている「共和主義勢力」の結集は拒否し続けていると述べた。マクロン氏の提案では事実上、RNと不屈のフランスは除外される。

フランスの憲法では、大統領は首相を任命する権限を持っているが、議会は政府に不信任を突きつけることができるため、選択は難しい。マクロン大統領は、政党間の話し合いが実を結ぶ機会を与えるために首相指名を待つとしている。