フランスが未踏の道筋に、解散・総選挙で生じた行き詰まり打開探る

AI要約

フランスの政界は波乱含みの国民議会選挙を終え、次期首相の任命と組閣に向けた交渉が本格化している。

左派連合が第1党になったが、次期内閣主導権は不透明であり、協力関係の構築が必要とされている。

極右勢力の敗北や勢力の分裂による政治的複雑さが内閣選出を難しくしている状況が続いている。

(ブルームバーグ): フランスの政界は波乱含みとなった国民議会(下院、定数577)選挙を終えて一息つきつつあるが、関係各党は次期首相の任命と組閣に向けて本格的な交渉開始に備えている。

7日の決選投票で第1党となった左派連合の多くの新議員は8日、顧問の採用や国民議会へのオフィス移動などの対応に追われた。政界のさまざまな勢力の代表が状況を見極めようとする中、マクロン大統領は与党連合の議員らと会談した。

先月の欧州議会選挙で極右勢力に大敗を喫したマクロン大統領は解散・総選挙に踏み切り、国民議会での主導権を失った。ただ国民議会がそれぞれ敵対する三つの勢力に分かれたことで、誰が次期内閣を主導できるかは不透明だ。

178議席を確保した左派連合「新人民戦線」が先駆けて行動する可能性があり、首相候補の1人とされるヤニック・ジャド上院議員は左派連合が数日中の候補者指名を目指しているとフランス・アンフォに語った。

左派連合で緑の党を代表するジャド議員は「われわれは今週中に政府を提案する」とし、「われわれの連合内で合意が得られ、国を落ち着かせ、国が必要とする一定数の主要改革で過半数を確保できる首相を必要としている」と指摘した。

ただ問題は、その候補者がマクロン氏の中道連合(156議席)の支持獲得を必要とすることがほぼ確実なことだ。左派連合と中道連合の両方、あるいは両連合の少なくとも一部は法案を通すため、絶対多数となる289票に可能な限り近づける必要がある。

こうした状況は、社会党と極左の「不屈のフランス」を含む新人民戦線にとって圧力となる。不屈のフランスのジャンリュック・メランション党首は、中道連合とのさらなる協力にかなり消極的で、中道連合も同様の姿勢だ。

両グループは7日の決選投票に向けて、票の分散回避のため当選の可能性がほとんどない候補者を戦略的に撤退させる調整を行った。その結果、マリーヌ・ルペン氏が実質的に率いる極右政党・国民連合(RN)は獲得議席数が143にとどまり、第1回投票で全国的にリードしていたにもかかわらず第3位に終わった。