紫外線は「疲労」にも関係していた!? 猛暑にこそ「日傘男子」のススメ

AI要約

紫外線が老化だけでなく疲労感にも影響することが明らかになった。日焼け止めの有無で疲労感に差が現れることが実験結果から分かった。

実験では日焼け止めを塗った群と塗っていない群での運動後の血中乳酸値の違いが明らかになり、日焼けをした人ほど疲労感が強いことも示された。

紫外線を浴びるとなぜ疲れてしまうのかについて、個人の主観による疲労感との因果関係を考察した結果が示唆された。

紫外線は「疲労」にも関係していた!? 猛暑にこそ「日傘男子」のススメ

紫外線がシミやシワなど見た目の老化に関係することは、すでに広く知られている事実。さらに、実は“疲労感”にも関与していたことが明らかになった。今回は疲労という新しい視点から、UVケアの重要性を考えたい。

日焼け止めの有無で24時間後の疲労感に差

資生堂グローバルイノベーションセンターの白土真紀研究員によると、「炎天下の外出や、屋外での運動後に“疲れ”を感じたことがある人は多いと思います。これまでも紫外線による心身への影響は研究されてきましたが、“屋外での運動時に紫外線を防ぐことで、どのような影響があるか”については、十分に検証されていませんでした」という。

資生堂が実施したのは、沖縄の屋外において健康な男女16人を対象にした研究。「日焼け止めを塗った群」と「塗っていない群」に分け、60分間の運動を行ってもらった。運動前と、直後、6時間後、24時間後に、血中の「疲労関連物質」を測定したところ、興味深い結果が得られたという。

「日焼け止めを塗った群では運動直後の“血中乳酸値”の上昇が抑えられていました。血中の乳酸は激しい運動後に蓄積し、エネルギー源として再利用されるのですが、運動による疲労の程度を推察できる物質です。また、実際に日焼けをして肌に赤みが強い人ほど、“本人も疲労を感じやすい”ことが確認されました」(白土研究員)。さらに興味深いのは、主観的な疲労感、つまり実験参加者本人が「疲れたと感じたかどうか」も、日焼け止めのありなしで差があったことだ。

「実験参加者本人が感じる疲労感は、運動6時間後や24時間後において、低い傾向が見られました。この研究から、“屋外運動時に紫外線を防ぐことは、疲労感の軽減につながる”可能性があることが示唆されました」(白土研究員)。

そもそもなぜ、紫外線を浴びると疲れてしまうのか?

夏の海や山で紫外線を浴びた日に疲れを感じやすい理由について、白土研究員は「疲労感はその人の主観なので、一概に因果関係を立証するのは難しい」と前置きしたうえでこう分析する。