「ルアーの近未来がやってきた!」初回ロットが即完売!? 釣り人の心を満たす「グミのようなエサ」が生まれた理由
フィッシングタックルブランドの「フローフルワークス」が2023年に登場した「NOYD」は、金属製のジグヘッドに柔らかいワームを組み合わせたジグヘッドワームで、初回ロットが即完売となるほどの人気アイテム。
「NOYD」はシーバスを中心にブリ、ヒラメ、マゴチなど多くのフィッシュイーターを狙えるデザインであり、16グラムと21グラムの2つのタイプが用意されている。
星野創一郎氏はシマノ出身で、君塚龍之介氏はセールスフォースで顧客企業の成功について考えてきた。2人が結託して立ち上げた「フローフルワークス」は、前例のないデザインと機能を持つ釣り具を提供している。
プロダクトデザイナーの星野創一郎氏とマーケッターの君塚龍之介氏が2023年に興したフィッシングタックルブランドの「フローフルワークス(Flowfulworks Inc.)」。
その第1弾プロダクトとして登場した「NOYD(ノイド)」は、2024年6月8日発売の初回ロットが即完売となる店舗も出るほどのジグヘッドワームです。
金属製のジグヘッドに柔らかいワームを組み合わせたジグヘッドワームは、シーバスをはじめ数多くのフィッシュイーターを狙えるいま人気のカテゴリー。
これまでになかったフォルムと斬新な機能でジグヘッドワームにありがちなストレスから開放してくれるという「ノイド」について、フローフルワークスの星野さんと君塚さんに話を聞きました。
VAGUE:「ノイド」の特徴や対象魚について教えてください。
星野さん:シャッドテールタイプのジグヘッドワームで、16グラムと21グラムの2種類を用意しています。初心者でもワームをワンタッチで交換でき、調整不要で確実にセットできます。
君塚さん:人気のゲームフィッシュであるシーバスを中心に、これまでのテストではブリなどの青物、ヒラメやマゴチ、オオモンハタなどが釣れています。フィッシュイーターであればたいてい狙えると考えています。
VAGUE:従来の釣り具には珍しいデザイン文脈ですが、会社を立ち上げる前はどんなことをしていたのでしょうか?
星野さん:自分はシマノの出身なんです。
君塚さん:星野とは中学からの同級生で、自転車好きの僕が「シマノなんてどう?」ってアドバイスしたら本当に入社してしまったんです。
星野さん:シマノでは自転車部門でデュラエースやXTRのシリーズ、グラベル向けのGRXの開発に関わり、2030年の世界を想定したE-MTBのスタディモデルの設計をしてモックアップの制作まで見届けました。
VAGUE:オンロード・オフロード両方のハイエンドパーツじゃないですか。「釣具っぽくない」と感じた理由がわかった気がします。
星野さん:当時骨折をしたときに渓流釣りに出会い、人の命の儚さというと大げさですが、「大切なのは時間なんだ」と人生観が変わった。希望した釣り部門に移ってからはステラというリールの開発に携わらせてもらいました。
VAGUE:これまたリールのハイエンドですね。
星野さん:自分が楽しいと感じるモノ造りに関われて、シマノ時代は本当に幸せでした。
君塚さん:星野がシマノでモノ作りに突っ走る一方で、自分はセールスフォースで「顧客企業にとってのサクセスは何か」「実現のため課題をどう解決するのか」を考え続けてきました。その結果「大切なのは使い手がいかに愛せるか」と思い至った。ただ、自分一人ではそれを形にできません。
VAGUE:思いを形にできる幼なじみがいたなと。
君塚さん:そうなんです(笑)、そこで会社を辞めてシマノのある堺に行き「シマノで作れないモノを一緒に生み出そう」って星野を口説いたんです。
VAGUE:Apple Computerのジョブズとウォズニアックみたいな関係ですね。シマノ入りを勧めておいて、こんどは戦えと(笑)
星野さん:でもそれもいいなと思って、君塚とモノづくりをすることに決めたんです。
君塚さん:大企業なのですぐには退職できない。星野が辞めるまでの1年くらいの間、僕は釣りやMTBで遊びながらのんびりと楽しく暮らしていました。