新興ヘッジファンドの野心的実験、元ミレニアムのジェイン氏に注目
パームビーチのエレガントなリゾートで、ボビー・ジェイン氏が数十億ドルを集めるための売り込みを行っていた。
ジェイン氏は新しいヘッジファンドのために巨大な資金調達を行い、世界中で数百人の従業員を採用する計画を立てていた。
ジェイン氏は中東の政府系ファンドや石油資産の管理者から10億ドル以上を調達し、記録的な80億ドルでデビューした。
（ブルームバーグ）： パームビーチのエレガントなリゾートで、ボビー・ジェイン氏は数十億ドルの資金を集めるため売り込みをかけていた。聴衆は中東の政府系ファンド（ＳＷＦ）アブダビ投資庁（ＡＤＩＡ）や世界有数の石油資産の管理者など、ジェイン氏が計画している新しいヘッジファンドにとって完璧な顧客だった。
「ザブレイカーズパームビーチ」ホテルのシーフードレストランで披露された同氏のビジョンは、野心的で前例のないものだった。同氏は巨大で完全なヘッジファンドを設立し、初日から世界中で数百人を雇用して６種類の戦略で取引するつもりだった。高価な人材争奪戦の中で才能あるトレーダーを素早く見つけ、数カ月のうちに複雑なインフラを構築しなければならない。そのために、投資家から十分な資金を集める必要があった。
高い目標の中の一つでも達成できなければ、スタートする前にすべてが水の泡になりかねない。ジェイン氏自身でさえ、この作戦の難しさを一度に３機の飛行機を着陸させることに例えている。
多くの投資家は、小さく始めてそこから積み上げていくという典型的なヘッジファンドのやり方からの逸脱に懐疑的で、傍観することにした。ジェイン氏は当初、100億ドル（約１兆6000億円）という記録的な額の調達を目指していたが、後にその目標を半減させた。
しかし、ミレニアムマネジメント創業者イジー・イングランダー氏のかつての補佐役、ジェイン氏は、中東の政府系ファンドを含む主要投資家から信任を獲得。ＡＤＩＡは最終的に約10億ドルを出資した。ジェイン氏は合計53億ドルを調達し、2018年にエクソダスポイント・キャピタル・マネジメントが記録的な80億ドルでデビューして以来、最大のローンチとなった。
元ミレニアムのジェイン氏のヘッジファンドがデビュー、18年以降最大
元ミレニアム共同最高投資責任者（ＣＩＯ）のジェイン氏が今月初め、史上最大規模のヘッジファンドの立ち上げにこぎ着けるのは簡単ではなかった。当初目標の半分を調達するのにも、手数料での優遇などの措置が必要だった。
