10年で株価50倍の銘柄も…低迷する「グロース市場」にひそかに眠る「お宝銘柄」の発掘法

AI要約

新NISA導入から半年が過ぎ、個人投資家の活動が増加している。安定した巨大企業や高配当の株に投資する動きが見られる。

新NISAを活用した個人投資家の増加が円安にも影響し、海外株への投資が増加している。

将来の資産形成を考える際には、若い世代ほど時間を活かした投資が重要であり、グロース市場も見逃すべきではない。

10年で株価50倍の銘柄も…低迷する「グロース市場」にひそかに眠る「お宝銘柄」の発掘法

新NISAが1月から導入されて半年が過ぎ、それに係わる経済記事がこのところ目立っている。例えば日本経済新聞は7月3日の朝刊で2日、3ヵ月ぶりに4万円を回復した日経平均にも絡め、<株高「NISA世代」支え>との見出しで、個人株主数の延べ人数が過去最多の7,400万人を超えたことにも触れながら、新NISAを通じ投資に足を踏み入れた個人投資家たちが、どんな銘柄を選好しているのか、を伝えていた。

その記事によれば、そうした個人はNTTや三菱UFJフィナンシャルグループ、JTなど安定感を感じさせる巨大企業で、かつ高配当の株を選好しているようだ。

また、別の経済記事では、歴史的な円安をもたらしている一つの要因として、新NISAを利用した個人投資家が、オルカンなどに代表される世界の株式市場に連動する投資信託や、直接にエヌビディアやアップル、マイクロソフトなどの米株に向かう流れがあることも指摘されていた。

個人の資産形成のための制度として新NISAがある以上、円の価値や日本経済の今後の成長以上に、基軸通貨であるドルの価値や世界経済の成長にこそ投資するというのは、確かに理に叶う投資になるだろう。また、NTTやJTといった倒産の危険性の低い巨大企業に投資し、その高い配当を享受するのも、定期預金をこうした株に振り替える意味で、安定性のある投資と言える。元本割れを回避し、相対的も高い利回りを確保するという意味で、多くの個人がそうした銘柄を選好するのも、もちろん理解できる行動ではあるだろう。

しかし、本当の意味での資産形成を考えるのであれば、若い世代であればあるほど、投資において一番強い武器が「許容された時間」であることを理解すべきではないか、と思う。また、そうした事をもっと投資の世界に生きてきた人間は語るべきではないだろうか、と思う。特に新NISAが導入され、その支えもあって、プライム市場が活性化し、日経平均が4万円を超えるなかで、悲しいほど見向きされず、置き去りにされたグロース市場の現状を知る者として、その想いは強くなる。