女性リーダーの登用を進めるサントリー食品インターナショナル、小野真紀子社長が海外事業で学んだ「チーム力」

AI要約

サントリー食品インターナショナルの女性社長、小野真紀子氏の経歴とサントリー入社の決め手について述べられている。

小野氏が時価総額1兆円を超える国内企業で初の女性社長として注目されている背景について解説されている。

サントリーが女性活躍や女性登用に積極的だった経緯や、女性社長が増えている日本の企業の現状について触れられている。

 コーヒーの「BOSS」や緑茶の「伊右衛門」、ミネラルウォーターの「天然水」などで知られる清涼飲料メーカー大手のサントリー食品インターナショナル。同社で2023年3月から指揮を執っているのが小野真紀子社長である。時価総額1兆円を超える国内企業で初の女性社長となった小野氏は、どのような経歴の持ち主で、サントリー食品をどう成長させていくのか。小野社長のインタビューの模様を2回にわたってお届けする。前編では、サントリー入社の経緯からキャリアを積む中での転機、女性リーダーを輩出していくための条件などについて話を聞いた(前編/全2回)

■ サントリー入社の決め手となった「女性活躍の企業風土」

 ――昨年(2023年)、米国のビジネス誌『フォーブス』や『フォーチュン』が選出した、「世界で最も影響力がある女性100人」にランクインしました。時価総額1兆円を超える日本の企業で女性のトップが誕生したのは小野さんが初めてであり、海外からも注目されています。

 小野真紀子氏(以下敬称略) それまで一人もいなかったのが不思議なくらいです。でも昨年はオリエンタルランドさん(髙野由美子会長兼CEO)、今年は日本航空さん(鳥取三津子社長)でも、それぞれ女性トップが就かれていますし、海外に比べて女性社長がまだまだ少ない日本の企業も、少しずつ変わってきたのではないでしょうか。

 ――サントリーグループはもともと、早い段階から女性活用や女性登用に積極的だった印象があります。

 小野 私がサントリーに入社した1982年は男女雇用機会均等法の施行(1986年)前で、就職説明会もまだ男性、女性を分けて開催していた時代でした。私はもともとグローバルな仕事がしたいと考えていたこともあり、当初は東京銀行(現三菱UFJ銀行)やソニーといった企業を志望していました。

 たまたま、大学の同級生がサントリーの就職説明会に行くというので軽い気持ちで同行してみると、何と入社2年目の女性社員が説明会を仕切っていました。「他の会社ではあり得ない」と思い、女性も生き生きと仕事をしている印象を持ったことが入社の決め手になりました。