マイホーム購入を決めた漫画家夫婦を襲った「違約金480万円」の悪夢

AI要約

漫画家夫婦が理想の物件を探し求める過程で遭遇した困難なエピソード。

物件の見つけ方や条件、そしてローンの問題に直面する汐里夫婦。

最終的に待ち受けていた意外な展開とその影響について。

マイホーム購入を決めた漫画家夫婦を襲った「違約金480万円」の悪夢

毎日のように不動産サイトをチェックし、理想の物件に出会えるまでひたすら内見を重ねる――。家を購入するまでのプロセスは骨こそ折れるものの、購入後の日々に思いを馳せながら期待に胸が膨らんでいく時間だ。漫画家の飯島浩介さん、汐里さん夫婦も条件にあう物件を数ヶ月に渡って探し求め、ついに理想の家にであったのだが、その先に待っていたのは地獄のような日々だった……。

夫婦で漫画家をしている汐里さんたちが家の購入を考え出したきっかけは、2匹の野良猫だった。

「近所の公園に住んでいた彼らをモデルにした猫漫画を描いたところ、とんとん拍子で連載を勝ち取ることができました(『勇者のひざには猫がいる』原作:飯島さん、作画:汐里さん)。そこで恩返しも兼ねて、『彼らを引取って一緒に暮らせるような家が欲しいね』ということになり、物件を探し始めたのです」(汐里さん)

汐里さん夫婦は土地・建売・中古と条件に合う物件を探し、情報サイトや不動産屋をくまなくチェックし続けて数ヶ月、ついに横浜市内に理想の物件を見つけ、内見にこぎつけた。

築9年43坪の2階建の一軒家。最寄り駅からは徒歩16分とやや距離があるものの、日当たり良好の南向きで庭と駐車場も完備。猫たちとのんびり暮らすのに最適の物件だった。

「価格は4080万円で、思い通りのリフォームができそうな間取りでした」(汐里さん)

サイトに掲載されていた2週間の間に、汐里さん夫婦のほかに内見6組、申込みが3件あったことからも、この物件の人気ぶりがうかがえる。他の人に決まらぬよう、汐里さん夫婦はさっそく購入を申し込むことにした。

その際、不動産業者は汐里さん夫婦にこう告げた。

「売買契約を解除する場合、売買代金の10%と仲介手数料の半額をあわせた478万3000円の違約金がかかります。また、この物件には抵当権(借金の形として不動産が担保されていること)がついているので、引き渡し日は絶対に後ろにずらせません」

要は、「汐里さん夫妻の都合でキャンセルしたり、購入代金の準備が引き渡し日に間に合わなかった場合は、違約金を支払う必要がありますよ」ということだ。

必死で探して、やっとたどりついた理想の物件、キャンセルなんてするはずがないじゃない……。業者の発言をまったく意に介していなかった汐里さんだが、これが後に大きな意味を持つことになる。

購入代金4000万円を一括で支払うことが難しい汐里さん夫妻は、必然的にローンを組むことになった。

「実は、この物件が見つかる以前に別の不動産業者から紹介されていたローンの担当者に『事前審査』を依頼していたので、そのままその人にお願いすることにしました」(汐里)