中小企業の賃上げ、多くの地域で「広がり見られる」=日銀支店長会議

AI要約

日銀支店長会議で地域の中小企業の賃上げに関する報告があり、昨年を上回る賃上げ動向が広がっていると報告された。

賃上げを見送る企業もあるが、人手確保のために賃上げに踏み切る企業も相応に見られる状況だ。

地域経済報告では、景気は一部に弱めの動きがあるものの、緩やかに回復している地域が大半である。

中小企業の賃上げ、多くの地域で「広がり見られる」=日銀支店長会議

Takahiko Wada Takaya Yamaguchi

[東京 8日 ロイター] - 日銀が8日に開いた支店長会議では、地域の中小企業の賃上げについて、大企業を中心とする高水準の賃上げの波及や人材の確保のため「昨年を上回る、あるいは高水準だった昨年並みの賃上げの動きに広がりが見られている」との報告が出されていた。中小企業の賃上げの広がりが「期待できる情勢」とされていた前回4月の支店長会議から、判断が前進した。

日銀が同日午後2時、支店長会議で出された報告事項を公表した。

賃金に関しては、収益面の厳しさから賃上げを見送る企業や、十分な原資を確保していない中でも人手の確保を優先して賃上げに踏み切る企業も「相応に見られる」との報告もあった。

併せて公表された地域経済報告(さくらリポート)では、全9地域中、北陸と近畿の2地域の判断を引き上げる一方、北海道と四国2地域の判断を引き下げた。能登半島地震に見舞われた北陸を除く8地域が、景気は一部に弱めの動きが見られるものの、「緩やかに回復」、「持ち直し」、「緩やかに持ち直し」と総括した。