海水浴にバーベキュー! 夏は「酒気残り運転」に要注意

AI要約

酒気残り運転とは、酔っている自覚はないが体内のアルコールが完全に抜けていない状態での運転。

飲酒後にはアルコールの影響で判断力の低下や視野の狭まりがあり、正常な運転ができない可能性がある。

死亡事故の内、およそ4人に1人が酒気残り運転をしていた可能性が示唆されている。

海水浴にバーベキュー! 夏は「酒気残り運転」に要注意

 どんなに羽目を外して飲み過ぎても、公共交通機関やタクシーなどを使って帰宅すれば何ら問題はありません。

 しかし、翌朝から仕事やレジャーでバイクやクルマを運転しなければならないという人は要注意。自分では酔っている自覚がなくても飲酒運転となってしまう、「酒気残り運転」になる可能性があります。

 では「酒気残り運転」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

 酒気残り運転とは、本人は酔っている自覚がないにもかかわらず、体内のアルコールが完全に抜けきっていない状態で運転すること。

 たとえば飲み過ぎてしまい翌日に頭痛がしたり、胃がむかむかするなどの二日酔いの症状は、お酒が好きな人なら一度や二度、経験があると思いますが、二日酔いになると体の不調や不快感で、自分でも「お酒が残っているな」とわかるものです。

 しかし、一晩ぐっすり寝て翌日の朝にはすっきりした気持ちで目覚めると、アルコールが完全に抜けたと感じるでしょう。ただしこのようなケースでも体内にはアルコールが残っていることがあるので、運転する予定がある人は注意してください。

「酒気残り」の状態はで、アルコールの影響で正常な運転ができないおそれがあります。

 JAF(日本自動車連盟)は2022年に、飲酒前と直後、翌朝における運転能力の比較テストを実施。運転シミュレーターを使って6人のモニターにさまざまなコースを走行してもらい、運転や人体に飲酒がどのような影響を与えるのかを検証しました。

 その結果、飲酒直後は飲酒前と比べてハンドルミスや判断ミスが多くなり、事故を引き起こす人がいるという結果に。飲酒直後だけでなく、飲酒した翌朝も飲酒前と比べると操作ミスや判断ミスが多くなり、ヒヤリハットについては飲酒直後より多い結果が出ています。

 また、アイトラッキングという眼球がどこを見ているかを表示できる装置を使用し、モニターの眼の動きを検証した結果、飲酒前は首を振って広い範囲を見て運転しているのに対し、飲酒後や翌朝は正面のみを注視したりミラーの確認を怠るなど、視野の狭い運転となって事故を誘発したケースも見られたそうです。

 このように、飲酒したあとはたとえ翌朝でもアルコールの影響により、判断力の低下や視野を狭めてしまい正常な運転ができない可能性があるので注意してください。

 また警視庁のデータによると、令和5年度に起きた飲酒運転による死亡事故112件のうち、呼気1Lあたりのアルコール濃度が「基準以下」または「検知不能」の人が全体の25%を占めていました。つまり、死亡事故を起こした人のうち、4人に1人が「酒気残り」の状態で運転していたと考えられます。

 では、飲酒後に正常な状態で運転するには、どれくらいの時間を空ければよいのでしょうか。