オゼンピックとまれな眼病に関連性か、視力喪失の潜在リスクも-研究

AI要約

デンマークの製薬会社ノボ・ノルディスクが開発した糖尿病治療薬「オゼンピック」と肥満症治療薬「ウゴービ」がまれな視力喪失のリスク上昇と関連している可能性があるとの分析結果を明らかにした。

両薬品の投与により、非動脈炎性虚血性視神経症(NAION)の発症リスクが他の薬品を投与された患者よりも高いことが示された。

研究規模は小さいため、より大規模な研究で結果を再評価する必要があるとされている。

(ブルームバーグ): デンマークの製薬会社ノボ・ノルディスクが開発した糖尿病治療薬「オゼンピック」と肥満症治療薬「ウゴービ」について、ハーバード大学付属眼科専門院の医師らはまれな視力喪失のリスク上昇と関連しているようだとの分析結果を明らかにした。

これによると、ベストセラーの両薬品を減量目的で投与された患者は、非動脈炎性虚血性視神経症(NAION)と診断される確率が他の薬を投与された患者の7倍を上回った。糖尿病治療で同薬品を投与された場合でも、NAIONを発症する確率は異なるタイプの治療法を受けた患者の4倍を超えたという。分析結果は医学誌のJAMAオフサルモロジーに3日掲載された。

研究規模は小さく、両グループでNAIONの症例は37例とわずかなため、統計上の信頼性は限定的だと論文は指摘している。両薬品が眼病を引き起こした証拠はなく、より多くの病院が参加する規模の大きな研究で再現する必要があるという。

分析結果によると投薬開始からすぐに眼病が発症するわけではなく、数カ月してから発症する例もある。それでも潜在的なリスクがあることは、医者が患者に伝えるべきだと研究に関わった医師は述べている。

ノボの米国預託証券(ADR)は一時約5%、米イーライリリーの株価は同2.5%下げた。

原題:Ozempic Linked to Rare Cases of Vision Loss in Harvard Study (1)(抜粋)

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