「ほったらかし投資でも”FIRE”は可能なの?」元銀行員が教えるリスクと現実

AI要約

積立投資でFIREを達成するためのシミュレーションについて元銀行員の筆者が紹介。

具体的な数字を用いてFIREの実現に必要な毎月の積立額をシミュレーション。

毎月の積立額と必要な収入の関係、長期的な視点での資産運用の重要性を解説。

「ほったらかし投資でも”FIRE”は可能なの?」元銀行員が教えるリスクと現実

全国的に梅雨入りし、ジメジメとした日が続く毎日。

祝日や連休が待ち遠しく、「毎日の仕事が辛い」「早くFIREして自由な生活を送りたい」と考えている人も多いかもしれません。

FIREとはまとまった資産を築いて早期退職を目指すことですが、「積極的な資産運用に取り組む必要がある」というイメージを抱く人が多く見られます。

では、積立投資のようなほったらかし投資ではFIREを実現することは難しいのでしょうか。

本記事では、積立投資でFIREを達成するためのシミュレーションについて元銀行員の筆者が紹介します。

後半では、新たなFIREのあり方についても紹介しますので、ぜひライフプランを考える際の参考にしてください。

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一般的にFIREに必要な金額は「年間支出額×25倍」といわれています。

もし年間の支出額が300万円の場合、7500万円の元手資金が必要となる計算です。

これは、「資産を毎年4%ずつ増やしながら、支出を4%以内に収めることができれば元手資金が目減りしない」という「4%ルール」を基にしています。

FIREを目指す際は、自分の支出を正確に把握し、早期リタイアを実現するためにはどれくらいの金額が必要となるのか明確にしましょう。

資産運用にはさまざまな手法があり、中には積立投資のように毎月コツコツ積み立てていくことで資産を築く方法もあります。

FIREというと積極的な資産運用が必要となるイメージがありますが、積立投資のようなほったらかし投資で実現することはできるのでしょうか。

ここでは、具体的な数字を用いてFIREの実現に必要な毎月の積立額をシミュレーションしてみましょう。

●ケース(1):20年後にFIREを目指すときに必要な毎月の積立額

まずは、20年後に7500万円を貯めてFIREを目指す場合に必要な積立額についてです。

【ケース(1)】

 ・目標額:7500万円

 ・運用期間:20年間

 ・想定年利:4%

 ・毎月の積立額:20万4486円

ケース(1)では、毎月約20万円の積立額が必要な結果となりました。

毎月20万円もの積立額を確保するためには、どれくらいの収入が必要となるのでしょうか。

総務省統計局の家計調査(2023年平均結果)によると、2人以上世帯の1ヶ月あたりの平均支出は29万3997円です。

これに先ほどの積立額を足すと約49万8000円となりますので、およそ50万円以上の手取り収入がある人は実現できる計算となります。

とはいえ、毎月20万円もの金額を20年間投資し続けることは、多くの人にとってハードルが高いといえるでしょう。

●ケース(2):25年後にFIREを目指すときに必要な毎月の積立額

では、積立期間をもう少し長くした場合はどうでしょうか。

25年後にFIREを目指す場合に必要な毎月の積立額は下記の通りです。

【ケース(2)】

 ・目標額:7500万円

 ・運用期間:25年間

 ・想定年利:4%

 ・毎月の積立額:14万5878円

ケース(1)と比較すると、毎月の積立額を約5万9000円圧縮できる結果となりました。

これに必要な生活費29万3997円を足すと、毎月約44万円の手取り収入が必要となる計算です。

仮に夫婦共働きで22万円ずつの手取り収入があれば達成できる水準となり、ケース(1)と比べると工夫次第ではFIREを目指すことも可能といえるでしょう。