3日から発行 新紙幣に世界初採用のホログラム技術、基本事項をQ&Aで紹介

AI要約

20年ぶりに刷新された1万円、5000円、1000円の新紙幣について、肖像、偽造防止技術、製造枚数などが紹介されている。

新紙幣には最先端のホログラム技術や目の不自由な人向けの技術が使用され、約27兆8900億円分の新札が製造される予定。

新紙幣は金融機関から受け取るか、取引を通じて手に入れることができるが、初日に入手するには少しラッキーが必要かもしれない。

3日から発行 新紙幣に世界初採用のホログラム技術、基本事項をQ&Aで紹介

 2004年11月以来、20年ぶりに刷新された1万円、5000円、1000円の新紙幣が、3日から発行される。キャッシュレス時代の到来により、以前と比べて紙幣を使用する機会は減ったが、我々の生活に欠かせないものであることには変わりない。そもそも、今回の新札はどういうものなのか。基本事項をQ&A方式で紹介する。

 Q 新紙幣の肖像は誰?

 A 新1万円札が日本の資本主義の父とされる実業家の渋沢栄一、新5000円札が女性の地位向上に尽力した教育家の津田梅子、新1000円札が破傷風の治療法を確立した微生物学者の北里柴三郎と、3券種とも変更される。日本銀行が1885年に第1号を発行して以来、過去には53種類の紙幣が発行されている。

 Q なぜ新しくするの?

 A にせ札を防止するために、新しい偽造防止技術を加えることが目的。最近では、20年をめどに変更されている。

 Q 今回は、どのような技術が使用されているのか

 A 肖像の3D画像が回転するように見える最先端のホログラム技術を世界で初採用。また、インキを高く盛り上げて目の不自由な人が手触りでお札を判別できる技術も加わった。使用される紙は和紙に使うミツマタなどが原料だが、詳細は偽造の恐れがあるため非公表。

 Q 市中にどれほどのペースで新札が出回る?

 A 日銀によると、前回は発行後1か月で13億4000万枚、紙幣流通全体の約13%を入れ替える形となった。前々回の84年時は1か月で20%ほどだったので、ペースは半分近くに落ちた。当時はクレジットや給与自動振り込みの普及が進んだことなどが理由とされていたが、さらにキャッシュレス化が進んだ現在はもっと少なくなることが予想される。

 Q 何枚刷っているの?

 A 約2年前から印刷が始まり、国立印刷局は3月末までに計45億3000万枚を製造。内訳は、1万円札が24億8000万枚、5000円札が2億6000万枚、1000円札が17億9000万枚。金額にすると計27兆8900億円分に上る。来年3月末までにさらに1万円札を18億3000万枚、5000円札を2億1000万枚、1000円札を9億1000万枚製造する。合計74億8000万枚となる計算で、日銀によるとそれ以降は未定。

 Q 新紙幣は、いつから入手できる? 

 A 金融機関は3日以降、日銀内に持つ当座預金口座からお金を引き出して新紙幣を受け取り、個人や企業は入出金や振り込みなどの取引を通じて新紙幣を手にする。04年の刷新時には、一般の人も発行初日に新紙幣を手にすることができた。全国銀行協会は「金融機関は発行初日に新紙幣を受け取り始めるため、3日の開店と同時に新紙幣を顧客に渡せるわけではない」としている。初日にATMなどを通じて手に入れられればラッキー?