「子持ち様」問題…フォローする側も4割が「高ストレス」。アプリ活用の調査で判明、企業の制度でリスク減も

AI要約

子育て社員と同僚のストレスについてのデータが明らかになり、子持ち様の問題について議論が広がっている。

ストレス可視化アプリを使用して子育て社員と同僚のストレスレベルを調査し、その結果を分析。子育て社員をサポートするだけでなく、同僚もフォローする必要があることが示唆されている。

HRVを測定するアプリを使用してストレスの大きさを分析し、これがストレスマネジメントにおいて一般的な手法となっている。

「子持ち様」問題…フォローする側も4割が「高ストレス」。アプリ活用の調査で判明、企業の制度でリスク減も

「子育て社員をフォローする同僚も、子育て社員と同じくらいの人が『高ストレス』を抱えている」ーー。ネットスラング「子持ち様」の問題を巡り、こんなデータが算出されていたことがハフポスト日本版の取材で分かった。

子育て社員は、子どもの熱で会社を早退したり、休んだりすることが度々あるが、企業によってはその分のしわ寄せが同僚に向かっているため、SNSで「子持ち様」と揶揄されている。ハフポストはこの問題を先駆けて報じ、働き方改革の「次」の課題として、企業側が子育て社員をフォローする同僚にも目を向ける必要性を訴えてきた。今回のデータはあくまで指標の一つに過ぎないが、同僚に目を向ける必要性を裏付けることになりそうだ。内科医で産業医の鈴木裕介医師にも話を聞き、このデータについての見解や高ストレスになる理由などについて解説してもらった。

ハフポストの取材に協力したのは、ストレス可視化アプリを運営する「DUMSCO」(東京都)の加勇田雄介さん。2024年1月10日~4月25日、子どもの体調不良で早退したり、休んだりした子育て社員86人と、その際フォローに入った同僚社員90人の計176人に、調査の協力を仰いだ。

DUMSCOが提供するアプリ「ANBAI」「ストレススキャン」(ANBAIの個人用)のいずれかでストレスの大きさを測定してもらい、その結果を収集・分析した。ANBAIは、自治体や大学病院、プロスポーツチーム、大手企業などが導入しているセルフコンディショニングアプリ。「心拍変動(HRV)」を測定してストレスの大小を判別している。

内科医で産業医の鈴木医師によると、近年はスマートウォッチで「ストレス値」や「リラックス度」といった指標を計測できるが、その大半はHRVを測定している。

心拍は基本的に規則正しいリズムで動いているが、ミリ秒単位で見ると1拍ごとにわずかに揺れ動いており、健康度の高い人ほど揺らぎが大きくなることがわかっている。ANBAIやストレススキャンも、この情報をもとにストレスの大小を判別。ライトを点灯させたスマホのカメラで指先の色の変化を読み取り、心拍のリズムを測定している。

なお、このような手法でHRVを算出するアプリは、アメリカでは医療機器として認可されているものもあるといい、鈴木医師は取材に、「提供者によって技術や計測の精度にばらつきはあるが、HRVのモニタリングはストレスマネジメントとして一般的な手法になってきている」と見解を示している。