ナイキ23年ぶり大幅安、スニーカー競争激化を懸念-経営陣に圧力

AI要約

ナイキ株価が2001年以来の大幅安となり、時価総額が約290億ドルも減少。経営陣の信頼性が問われ、投資評価が引き下げられる事態となった。

ナイキは売上高の減少率予測を下方修正し、需要低下や競争激化への懸念が広まっている。これにより株価は20%安で終了し、1年間で17%下落している。

新型コロナウイルス禍後のカジュアルセグメントの低迷が売上高の低下につながり、経営陣の刷新の可能性も指摘されている。

(ブルームバーグ): 28日の米国株式市場で、スポーツ用品メーカーの米ナイキの株価が2001年以来の大幅安。約290億ドル(約4兆6600億円)の時価総額が吹き飛んだ。ジョン・ドナホー最高経営責任者(CEO)率いる同社経営陣に対する批判が強まっている。

ナイキは前日、2025年5月期の売上高が「1桁台半ば」の減少率になるとの予測を示した。ブルームバーグ集計のアナリスト予想では約2%の伸びが見込まれていた。これを受けてナイキ製品に対する需要低下への懸念が強まったほか、「オン(On)」や「ホカ(Hoka)」といった新興スニーカーブランドや長年のライバルである独アディダスとの競争激化が意識された。これを受けて、ブルームバーグが追跡している少なくともアナリスト少なくとも7人が投資評価を引き下げた。

米ナイキ株急落、販売低迷さらに悪化を警告-見通しが予想下回る (1)

ナイキの株価は、約20%安で終了。過去1年では17%下落している。

スティーフルのアナリスト、ジム・ダフィー氏は28日付けのリポートで「経営陣への信頼性が大きく揺らいでいる」と指摘。「経営陣刷新の可能性もあり、一段と不透明感が増している」と述べた。

ナイキは2020年1月にCEOに就任したドナホー氏の指揮下で、新型コロナウイルス禍後にカジュアルなフットウエアが人気を集めた流れに乗った。年間売上高は2020年度から23年度にかけて140億ドル近く増加し、初めて500億ドルの節目を超えた。

しかし足元では、このカジュアルセグメントが圧力にさらされている。ナイキ幹部は「エアフォース1」や「ダンク」などのライフスタイルブランドの不振が3-5月(第4四半期)の売上高低迷の背景にあると分析した。このカテゴリーの売上高はコロナ流行以降、初めて減少に転じた。

原題:Nike’s Biggest Drop in 23 Years Puts Pressure on CEO Donahoe (1)(抜粋)