ソフトウエア開発者はもういらない?…高い報酬の求人は減少傾向(海外)

AI要約

ソフトウェア開発者の雇用が落ち込んでいること。

高給の技術職を見つけるのが難しい状況。

需要が低迷しているが、現在もソフトウェア開発職は高収入であること。

ソフトウエア開発者はもういらない?…高い報酬の求人は減少傾向(海外)

ソフトウェア開発者の雇用は、パンデミック前の水準から落ち込んでいる。

高給の技術職を見つけるには時間がかかるかもしれない。

グラスドアのダニエル・ザオは、経験豊富な開発者でも「高給の仕事を見つける」のは難しいかもしれないと述べている。

雇用問題の解決は、数行のコードを書けばいいというようなものではない。

ADP Research Instituteの最新レポートによると、ソフトウェア開発者の雇用は2018年1月から減少している。他のデータでも、アメリカの労働市場が数年前ほどの勢いがないため、ソフトウェア開発や技術職に就く機会が減少している。

グラスドア(Glassdoor)のリードエコノミスト、ダニエル・ザオ(Daniel Zhao)は、「技術職市場は2022年末以降、明らかに減速している。パンデミックからの回復期に急速な雇用が続いたが、その後、冷え込んだ」と声明で述べている。

「金利の上昇、パンデミック期のトレンドの終焉、経済全体の減速により、技術職の需要が減少している。とはいえ、2022年12月のピーク時におけるテック業界の雇用と比べると、減少したのは2%未満であり、2020年3月と比べるとまだ21%高い」

ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン(Nela Richardson)がBusiness Insiderに語ったところによると、ソフトウェア開発者は「時代遅れの職業」ではないが、必要とされる労働者が少ない「極めて効率的な職業」になっているため、その仕事を探すには時間がかかるかもしれないという。

「この業界の若い技術者は、大学を出てすぐに採用されたり、最初の仕事ですぐに学んだりすることはできないかもしれない。あるいは新規採用に関しては、もう少し通常の労働市場で苦労しなければならないかもしれない」

注:ADPRIによると「2018年1月から2024年1月までの間に、10の業界で6500社、7万5000人以上のソフトウェア開発者やエンジニアを追跡調査し、そのデータを使用して、2018年1月を100としたソフトウェア開発者の雇用を追跡するインデックスを作成した」。

ソフトウェア開発者雇用の変化は、パンデミックによる消費支出の変化が一因となっている可能性がある。

「2020年にソフトウェア開発者の雇用が減速したが、その後、何度か回復した。これは、パンデミックがデジタルサービスの増加に拍車をかけたことを反映していると思う」とリチャードソンは言う。

求人検索プラットフォームのインディード(Indeed)もアメリカにおけるソフトウェア開発分野の求人情報を独自にインデックス化している。同社の研究部門である雇用研究所(Hiring Lab)で北米の経済調査ディレクターを務めるニック・バンカー(Nick Bunker)は「ソフトウェア開発分野で、2021年や2022年に見られたような需要が近いうちに発生する可能性は低い」とBusiness Insiderに語っている。

それでもこれらの仕事に対する需要は健全であり、今でも高収入であることに変わらないという。アメリカ労働統計局のデータによると、ソフトウェア開発者の平均年収は13万2270ドル(約2100万円)となっている。

注:データはインディード求人インデックスによるもので、「2020年2月1日以降のインディードにおける求人広告掲載数(7日間移動平均)」を示している。

「ソフトウェア開発職の求人が低迷しているのは、周期的なものかもしれないし、短期的なものかもしれない」とバンカーは述べている。

「金利が依然として非常に高く、雇用主の多くが2021年に過剰雇用したため、雇用に関して非常に慎重になっており、今は特に忍耐強くなっているだけかもしれない」