スーパーの『レジに椅子』作業効率や負担軽減のため導入増加 「印象悪化」店は気にするが、多くの客は「座って接客“あり”」 医師も“立ちっぱなし”に警鐘

AI要約

スーパーでのレジ業務における立ちっぱなしの負担や健康リスクについて述べられている。

イスの導入が進んでいるが、まだ業界の通例による障壁があることが示唆されている。

医師も立ちっぱなしのリスクを指摘し、厚生労働省の規則もイスの設置を義務づけているが、実際の導入は進んでいない。

スーパーの『レジに椅子』作業効率や負担軽減のため導入増加 「印象悪化」店は気にするが、多くの客は「座って接客“あり”」 医師も“立ちっぱなし”に警鐘

店員がスピーディーに商品をスキャンしカゴに入れていく。日本のスーパーでは見慣れた光景だ。 しかし、客の波が途切れた時に、店員がイスに座る… レジ仕事にイスを導入するところが増えている。

大阪市福島区にあるスーパー「ミスギヤ」は、立ったままレジを打つ、一般的なスタイルの店だ。 長年働いている店員に話を聞いてみると…

MISUGIYA店員(30代):もうずっと立ちっぱなしなので、足の裏に体重がかかってくると、やっぱり腰だったりとか、ひざだったりとか、やっぱり負担がかかってくるので、ちょっとしんどいかなというふうには感じますね。

定点カメラで見てみると…、足を左右に小刻みに動かしてはいるものの、限られたスペースの中で大きく動くことはないようだ。客の列が途絶えた時には、足のストレッチをするようなしぐさも…。

MISUGIYA店員(30代):やっぱり膝から下が重だるいっていうか、動かしてないので固まってる感じがしますね足首とかも。(Q.左右に動いていても?)屈伸運動じゃないので、ただ左右に動いているだけなので。やっぱり全然、足の負担は違いますね。

 同僚の中には腰痛がひどく、月に1回注射を打ち、痛みがひどいときは、薬を飲んで仕事にのぞむ人がいるそうだ。

この「立ちっぱなし」には医師も警鐘を鳴らす。

Nクリニック理事長 中里伸也医師:立ちっぱなしでいると、上半身の重さがそのまま腰や骨盤にかかってしまいますので、腰の痛みが出たり股関節・ひざの痛みが出たりする。ずっと立ち続けるということは、ある筋肉ばかり使うので、その使われた筋肉は疲労に陥りやすくなる。

そもそも、厚生労働省の労働安全衛生規則では、「就業中しばしば座ることのできる機会のあるときは、当該労働者が利用することのできる、いすを備えなければならない」とされており、イスの設置が義務づけられている。 しかし、「業界の通例」という壁が阻み、まだ導入が進んでいない。