子どもがいない「おふたりさま夫婦」だから起こる「“相続”のヤバすぎる大問題」「妻が夫の遺産を100%相続できないって」本当?どうすればいい?専門家がわかりやすく解説
結婚しても子どもをもたない夫婦が増えている。老後に頼れる子どもがいない不安や心配を解消するために、「おふたりさまの老後」の盲点を明らかにした『「おふたりさまの老後」は準備が10割』が登場。
著者は終活の専門家であり、おふたりさま夫婦の「相続」について解説。おふたりさまの相続は、子どものいない夫婦でも注意が必要なポイントがある。
相続の基本ルールや大原則を説明しながら、おふたりさま夫婦の相続に関する問題を解説。
結婚しても子どもをもたない夫婦、いわゆる「おふたりさま」が増えている。
共働きが多く経済的に豊か、仲よし夫婦が多いなどのメリットはあるものの、一方で「老後に頼れる子どもがいない」という不安や心配がある。
そんな「おふたりさまの老後」の盲点を明らかにし、不安や心配ごとをクリアしようと上梓されたのが『「おふたりさまの老後」は準備が10割』だ。
著者は「相続と供養に精通する終活の専門家」として多くの人の終活サポートを経験してきた松尾拓也氏。北海道で墓石店を営むかたわら、行政書士、ファイナンシャル・プランナー、家族信託専門士、相続診断士など、さまざまな資格をもつ。
その松尾氏が、今回は「子どもがいない『おふたりさま夫婦』だから起こりうる「“相続”の大問題」について解説する。
■「おふたりさまの相続」は気楽でも安心でもない!
人が亡くなると、その時点から「相続」がはじまります。
故人の遺産をめぐり、家族や親族がもめにもめて、骨肉の争いに……。なんていうケースは、ドラマの中の話だけではなく、現実世界でもめずらしいものではありません。
ちまたの「相続争い」の話を聞いて、子どものいないおふたりさま夫婦は、「うちは夫婦だけだから、遺産でもめることもないし気楽だね」などと、安心しているのではないでしょうか?
でも、それは「あまりに大きな間違い」です。
おふたりさまの場合、子どものいる夫婦以上に、相続がもめごとやトラブルに発展するケースもありえるのです。
ふたりで一生懸命ためてきた財産が、ふたりのものでなくなるかもしれない。
それがおふたりさまの相続なのです。
おふたりさまの相続について、相続の基本ルールを紹介しながら説明しましょう。
■まずは「相続の大原則」といえるルールは?
まずは「相続の大原則」ともいえるルールです。
●故人に配偶者がいる場合、配偶者は必ず相続人となる
配偶者はつねに相続人(相続する権利がある人)になります。
つまり、夫(妻)が亡くなれば、妻(夫)は必ず相続人になるわけです。
この大原則を柱に、次に紹介する①②③の順位で、相続人が加わっていきます。
①故人に子どもや孫(直系卑属)がいる場合、配偶者とともに相続人となる
子どもがいる場合は、子どもも相続人に加わります。子どもがすでに亡くなっていて孫がいる場合、孫が代わりに相続人になります。