円安加速 約2カ月ぶり1ドル=160円台に 為替介入への警戒感再び

AI要約

円相場が再度1ドル=160円の節目を突破し、市場では為替介入への警戒感が強まっている。

米国と日本の金融政策の差により、円売り・ドル買いの動きが続いており、日銀とFRBの次回会合までは円相場の変動が予想される。

鈴木俊一財務相が市場の動向を注視し、必要な対応を取る姿勢を示している。

円安加速 約2カ月ぶり1ドル=160円台に 為替介入への警戒感再び

26日の外国為替市場で、円相場が一時、1ドル=160円の節目を突破した。前回この水準に達した4月29日には相場が乱高下し、政府・日銀が為替介入した可能性が濃厚とされる。再びこの水準をつけたことで、市場では、為替介入への警戒感が強まっている。

米連邦準備制度理事会(FRB)の高官が25日に金融引き締めに積極的な発言をし、米利下げ観測が後退。一方、日銀は14日の金融政策決定会合で、追加利上げと国債買い入れの減額開始を見送った。

市場では「日米金利差は当面縮小しない」との見方が根強く、低金利通貨の円を売って、高金利通貨のドルを買う動きが優勢となっている。

鈴木俊一財務相は25日に韓国・ソウルでの会見で、「市場を注視し、必要な対応を取っていく」と述べ、投機筋を牽制(けんせい)していた。

三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「日銀とFRBが次に金融政策を決める会合を開く7月下旬までは、米国の経済指標をにらみながら、円相場は上下に振れやすくなる」と予想している。