70年前に初登場した“宇宙船”!? 先進メカニズム満載のフランス車 シトロエン「DS」の希少な“7人乗りワゴン”を発見
DSはステランティスが展開する高級ブランドで、日本でも展開している。
初代DSは1955年に登場し、未来的なデザインや先進的な機構を持つモデルだった。
ハイドロニューマチック・サスペンションやセミ・オートマチック式のトランスミッションを搭載し、快適性や機能性に優れていた。
2024年現在の「DS」は、シトロエンやジープ、プジョー、オペルなどといったブランドが属する巨大自動車グループ「ステランティス」が展開している高級ブランドのひとつです。
日本国内にも導入されており、「DSオートモビル」として正規ディーラーを展開、4つのモデルを販売しています。
DSはもともと、シトロエンのモデルでした。それが現在は独立したブランドに成長している構図です。
今回オークションに登場したのは、ブランドの始祖ともいえる初代DSです。
初代は1955年の「パリサロン」(現在のパリモーターショー)で発表されました。
未来的なボディデザインが注目を集め、ショーの目玉的な存在に。その見た目から「空飛ぶ円盤」とも例えられました。
ロングホイールベースで、ボディ後方に向かうとともにボディも細くなっていく独特のデザインを採用。それに伴い左右のホイールの幅も後輪のほうが細くなり、カバーで覆っています。
このような得意なスタイルでも違和感なく目に映る理由は、空気の流れに沿ったデザインを採用しているからといえるでしょう。機能的なエアロデザインともいえます。
ユニークなのはボディだけにあらず、内部の機構も未来を先取りしたものでした。
代表的な機構のひとつは「ハイドロニューマチック・サスペンション」です。
一般的な金属のバネは使わず、その代わりに窒素ガスとオイル(油圧)を使用しているのが特徴。このおかげで乗り心地に大変優れていたようです。車高調整も可能で、加えてパワーステアリングも備えており快適性の高いモデルでした。
もう一つの代表的な機構はトランスミッションです。この時代に珍しいセミ・オートマチック式の4速ギアを装備していました。
モデルの息も長く続き、1957年に初代が発売され、1972年のモデル「DSuper5」が最終型となりました。
途中、ワゴンボディが追加されたり、ヘッドライトを片側2眼1組横長へと意匠変更があったり、マニュアル・トランスミッション仕様の用意があったりと、様々なバリエーションが用意されていきました。