30年以上働いてきたローソン幹部も驚いた! 「47%増量」「盛りすぎチャレンジ」がもたらした集客効果

AI要約

ローソンが現在開催している「盛りすぎチャレンジ」キャンペーンは、対象商品の価格はそのままに増量するという斬新な企画で、過去2回の実施で大きな集客効果があり、業界内でも話題になっている。

キャンペーンの狙いは、物価上昇と消費低迷の中で消費を促進するためであり、価格を下げるだけでなく、楽しみやワクワク感を提供することで顧客ロイヤルティを高めている。

ローソンの取り組みは、社内外での好評を受けており、商品の売り切れやSNSでの話題性も高い。今後も継続して施策を展開し、消費者に新たな魅力を提供し続ける考えだ。

30年以上働いてきたローソン幹部も驚いた! 「47%増量」「盛りすぎチャレンジ」がもたらした集客効果

 ローソンが現在開催している「盛りすぎチャレンジ」キャンペーン。対象商品の価格はそのままにして増量するという企画で、今回が3回目の実施となるが、集客に与える影響が“半端ない”という。キャンペーンの狙いや反響について、同社の梅田貴之氏(理事執行役員 商品本部長補佐)に話を聞いた。

 盛りすぎチャレンジは「カレーパンの総重量がお値段そのまま47%増量」「サンドイッチのハムがお値段そのまま47%増量」といったように、「47%増量」を大きくアピールしているのが特徴だ。これまでには、2023年2月と2024年2月に実施している。

 過去2回のキャンペーンは集客に大きな効果があったという。2023年2月におけるローソン事業の既存店客数は前年比108.4%、2024年2月は同103.2%という結果に。客数に影響する要因はキャンペーン以外にもあるが、梅田氏は「ダイエーコンビニエンスシステムズ(現ローソン)に入社してから、30年以上勤務しているがこれほど客数が伸びた施策はなかった」と驚きを隠さない。

 コンビニの客数が一気に増えたイベントの事例として、梅田氏は2008年に「taspo(タスポ)」対応のたばこ自動販売機が導入されたことを挙げる。当時、タスポ発行の手間を嫌った多くの消費者がコンビニでたばこを購入するようになった。規模の大小はあれど、梅田氏がタスポを引き合いに出すほどのインパクトが過去の盛りすぎチャレンジにはあったということだ。

 ローソンでは、過去にも期間限定の値引きや、値段そのままでおにぎりやサンドイッチの具材を増量するといったキャンペーンは実施してきた。しかし、対象商品の数や増量の規模などの点で、改良の余地があった。

 なぜ、ローソンは今回のキャンペーンを企画したのか。梅田氏は「物価が上がり続けているのに、実質賃金がなかなか上がらない。消費マインドが弱まっていた」と背景を説明する。

 生活防衛マインドが高まる中で消費を促そうと思ったら「値下げ」という選択肢もあるが、なぜ増量なのか。この点について梅田氏は「単なる『お得』ではなく、ワクワクするような楽しさも提供したい」(梅田氏)と説明する。例えば、ローソンの看板商品であるプレミアムロールケーキは、今回のキャンペーンで山のようにクリームを盛り付けている。ビジュアル的なインパクトも大きく、消費者のワクワク感を高める効果が期待できる。

 梅田氏は「1回目のキャンペーンを検討するために、試作品を社内で共有したところ、増量した商品に対する社内のリアクションがとても良かった。この熱は必ず伝播すると確信した」と振り返る。これまでの盛りすぎチャレンジのインパクトは絶大で、商品の売り切れが相次いだだけでなく、SNSでも大きな話題になった。