義母が「生前贈与の方がお得だから」といって子どもにお金を渡そうとしています。生前贈与ってそもそもお得なんですか?

AI要約

生前贈与についての具体的な効果とメリットについて解説します。

生前贈与による節税効果や贈与税の対象などについて詳しく説明します。

生前贈与を上手に活用して相続税の課税対象を減らす方法について考えます。

義母が「生前贈与の方がお得だから」といって子どもにお金を渡そうとしています。生前贈与ってそもそもお得なんですか?

終活のひとつとして「生前贈与」に取り組んでいる方も多いのではないでしょうか。しかし、生前贈与の具体的な効果について知っている方は少ないかもしれません。

今回は、生前贈与の効果と主なメリットについて解説します。

結論として、生前贈与を行う目的の大半は「税金対策」です。生前贈与を上手に活用すれば、節税効果が得られます。

通常、当人が亡くなった後の財産を親族が受け継ぐ場合には「相続税」がかかります。国税庁によると、相続税がかかる財産は現金だけでなく、土地や家屋、株式など有価証券も対象です。生前贈与を行えば、相続税の課税対象を減らせるのです。

■贈与税は年間110万円までの贈与なら非課税

生前贈与には「贈与税」がかかります。

国税庁によると、贈与税は年間控除額である110万円までの贈与であれば非課税となります。相続税の場合は遺産の総額から基礎控除額を差し引いた金額に課税されますが、生前贈与であれば毎年110万円まで非課税としてお金を引き継ぐことが可能です。

生前贈与を行う目的は、最終的な相続額から課税対象を減らすことにあります。

例えば、自身の資産4000万円を、子ども1人に引き継ぐケースで考えてみましょう。

国税庁によると、相続税の基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」であるため、生前贈与をしなかった場合、「4000万円-(3000万円+600万円×1人)」となり、基礎控除額を除いた400万円に相続税がかかります。

一方、生前贈与で毎年100万円ずつ5年間贈与をした場合、相続財産は残り3500万円となり基礎控除額を超えないため、相続税はかかりません。

ただし、生前贈与であっても、贈与後一定期間内に相続が発生した場合は、贈与ではなく相続とみなされ、相続税の課税価格にその財産の贈与時の価格が加算されます。国税庁によると、具体的な被相続人の相続開始日に応じた加算対象期間は表1の通りです。

表1