プラダ、ヴィンテージ感溢れるベーシックアイテムでワードローブの基本に回帰【2025年春夏コレクション】

6月16日（現地時間）、ミラノ・ファッションウィークでプラダの最新メンズコレクションが発表された。共同クリエイティブ・ディレクターのミウッチャ・プラダとラフ・シモンズが今回重きを置いたのは、ワードローブのエッセンシャルアイテムだった。

ミラノ・ファッションウィーク3日目となる6月16日（現地時間）、共同クリエイティブ・ディレクターのミウッチャ・プラダとラフ・シモンズ率いるプラダの2025年春夏ショーが開催された。会場となったプラダ財団「Deposito」には、コンクリート造りの建築とコントラストを成す真っ白な家が床面から浮かぶように配置され、そこから現れたモデルたちが観客の間を縫うように歩いていった。プラダの最新ショーについて、知っておくべきことを紹介する。

■プラダのベーシック

今シーズンのプラダは基本に立ち返った。ワードローブのベーシックアイテムを再解釈するという試みは、コレクションのファーストルックからも明らかだった。リラックス感のあるグレーのパンツ、Vネックの長袖セーター、レザーのストラップシューズなど、来夏のワードローブはメンズウェアの基本に回帰する。

流れるようなパンツ、上質なウールのセーターやポロシャツ、スリムフィットのカーディガン、シンプルなアウターウェア（トレンチコート、ダブルブレストのコート、テクニカルジャケット）などがライトモチーフのように次々と登場し、ランウェイショーを通して徐々に展開されていく。どのアイテムも、誰もがクローゼットに持っているメンズファッションの必需品だ。

■モードなオーバーオール

誰も予想していなかったが、オーバーオールは新コレクションのキーアイテムのひとつだ。ミウッチャ・プラダとラフ・シモンズは、私たちがよく知っているブルーだけではなく、黒やグレーといった落ち着いたバージョンや、イエロー、パープル、ピンクといった大胆なカラーバリエーションを提案した。また、違いを生み出すディテールとして、鮮やかな色のジッパーでコントラストを演出している。

■オールスターのフロントロウ

プラダのショーは、その豪華な観客席でも知られている。今シーズンはマット・ボマー、ジョー・アルウィン、ビーナス・ウィリアムズ、ヴィニー・ハッカー、ジョナ・ハウアー＝キング、エヴァン・ピーターズ、キウェテル・イジョフォー、坂口健太郎らが、ミウッチャとシモンズの最新コレクションを見届けに来た。

■短い着丈

今回のショーで特に目を引いたファッションディテールがもうひとつ。クリエイティブ・デュオがデザインしたアイテムの丈の長さだ。セーターやポロシャツ、カーディガンの多くは着丈が短く、モデルの何人かはへそが見えていた。また、袖も短くなり、手首が露わになった。シャツはもはやパンツにタックインされることなく、上に持ち上がり、やはり腰から下を露出させていた。

■ヴィンテージのインスピレーション

コレクションのなかには、両親のワードローブからそのまま飛び出してきたようなものもあった。杢調のパンツやカラフルなカーディガン、ストライプの長袖Tシャツ、丈の長いレザージャケットは全て、私たちの母親や父親が長年着てきた服を象徴するかのようであり、時の流れを感じさせるものだ。フランス人画家ベルナール・ビュフェの作品がプリントされたTシャツもまた、ショーに漂うヴィンテージの雰囲気を一段と高めていた。

From GQ France

by Adrien Communier

Translated and Adapted by Yuzuru Todayama