債券は上昇か、PPI受け米金利低下-日銀買い入れ減額警戒は重し

AI要約

米国の債券相場は上昇が予想され、年内の利下げ観測が強まる中、長期金利が低下している。一方、日本銀行が国債買い入れ減額を決めることで相場に警戒感が広がっている。

米金利低下の影響で相場は上昇傾向だが、日銀会合の結果が待たれる。国債買い入れ減額方向が示されると相場に影響を及ぼす見通し。

エコノミストの予想や市場の反応が注目される中、植田和男総裁の会見で方針が明らかになる可能性がある。

(ブルームバーグ): 14日の債券相場は上昇が予想されている。米国で5月の生産者物価指数(PPI)が予想に反して低下したため年内の利下げ観測が強まり、長期金利が低下した流れを引き継ぐ。一方、日本銀行が金融政策決定会合で国債買い入れ減額を決めることへの警戒感が相場の重しになりそうだ。

東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、米金利低下を受けて相場は続伸して始まった後、日銀会合の結果発表を控えて上値が重くなるとみる。日銀会合では国債買い入れ減額の方向が示されるとみられているが「明確な結論を得ないようだと相場は一段高となる」と予想。植田和男総裁の会見については前回の反省を踏まえタカ派に傾きやすく警戒されると言う。

同氏の新発10年物国債利回りの予想レンジは0.935~0.97%(13日は0.965%で終了)、先物中心限月9月物は143円46銭~143円83銭(同143円46銭)。

米PPI、5月は前月比で予想外の低下-前年比やコアも減速

先物夜間取引で9月物は13日の日中取引終値比17銭高の143円63銭で終えた。

今回の日銀会合について、ブルームバーグがエコノミスト51人を対象に実施した調査では50人が政策金利を0-0.1%に据え置くと予想した。一方で10月会合と並んで最多の33%が7月会合での追加利上げを見込んでおり、午後3時半からの植田総裁の記者会見でヒントを探ることになる。

買い入れ減額について、全国信用協同組合連合会資金運用部の山下周チーフエコノミストは「今後半年ぐらいまでは現在の買い入れ予定額のレンジ(5兆ー7兆円)を中心に方向性を示すのではないか」と予想。「減額に対する市場の予見性が高まり、金額が小さいと金利が低下する可能性がある」とみる。

関連記事

(c)2024 Bloomberg L.P.