中国EVメーカー、EU関税を吸収する余地ある-新たな市場にも注目

AI要約

中国の電気自動車メーカーは、欧州連合による追加関税に対応するために生産を欧州にシフトするか、新たな市場を開拓する選択肢がある。

欧州委員会が中国の自動車メーカーに対し、バッテリー式EVに追加関税を課すことを正式に通知。しかし、中国のEVメーカーは追加関税に負けない力を持っている。

市場では、BYDの株価が上昇するなど、追加関税への対処ができるとの見方から中国のEV株も上昇している。

(ブルームバーグ): 中国の電気自動車(EV)メーカーは、欧州連合(EU)による追加関税の賦課に憤慨しているかもしれないが、成長を維持するための選択肢は幾つかある。欧州に生産をシフトし、その利ざやを使ってある程度の打撃を吸収することもその1つだ。

各社はまた、乗用車市場に占めるEVの割合が小さいながらも伸びている中東や中南米、東南アジアなどの新たな市場に目を向けることもできる。

欧州委員会は12日、中国の比亜迪(BYD)や吉利汽車、上海汽車(SAICモーター)などの自動車メーカーに対し、バッテリー式EV(BEV)に追加関税を課すと正式に通知。これにより、来月から関税率は最高48%に達する可能性がある。中国のEVメーカーは国内での価格競争などを背景に、欧州進出をより積極的に推し進めている。

全国乗用車市場情報連合会(乗連会)の崔東樹秘書長(事務局長)は「中国の自動車メーカーが強大になるにつれ、関税引き上げなどの通商措置に直面するのは当然だ。中国からの自動車輸出が抑制されたとしても、自動車メーカーが関税引き上げに負けることはない。むしろ、より強くなるだけだろう」と語った。

BYDの株価は13日の香港市場で一時8.8%上昇。追加関税は対処可能との見方から、他の中国EV株も上げている。

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原題:China EV Makers Have Room to Absorb EU Tariffs, Find New Markets(抜粋)

--取材協力:Yasufumi Saito.

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