「社長の不倫辞任で株を売るべきなのか」投資歴25年FIRE投資家「投資に自信がない人こそ、バリュー株に投資をしろ」

AI要約

バリュー株投資は株価が企業の本来の価値を下回っている株を購入する戦略。

2020年のコロナショック以降、日本株ブームで割安株が少なくなり、銘柄選定が難しくなっている。

バリュー株投資家Ricky氏は25年の経験を持ち、分散投資と経営に影響を及ぼす事象に基づく売買を行っている。

「社長の不倫辞任で株を売るべきなのか」投資歴25年FIRE投資家「投資に自信がない人こそ、バリュー株に投資をしろ」

「バリュー株投資」とは、株価が企業の本来の価値を下回っていると見なされる株を購入する投資戦略である。

 だが2020年のコロナショック以降、空前の「日本株ブーム」により以前と比べて割安株は少なくなり、銘柄選定の見極めが難しくなっている。

 このたび注目するのは、バリュー株投資歴25年の経験を持ち、2023年3月にFIREを達成したRicky日本株研究所氏(X:@jstockslab)だ。現在の株式市場の状況下で、彼はどのようにバリュー株投資を行ってるのだろうか。

 みんかぶ短期連載「専業バリュー株投資家が語る、個人投資家の生存戦略」第2回は、Ricky氏の銘柄選定の極意などについて話を伺った。

ーー売買のポイントを教えてください。

 私が売買を行うポイントについては、経営に影響を及ぼすような事象が起きた場合に売買するようにしています。

 例えば、社長の不倫辞任くらいで株を売ってはいけません。事業の根幹に関わるような不祥事が起き、改善の見込みがない場合はすぐに売却しますが。

 ただし、仮に根幹に関わるような不祥事が起きても大丈夫なように、分散投資を徹底しています。現在、65銘柄ほどに投資を分散しており、主力銘柄でも保有比率は5~10%程度です。そのほかの銘柄はおよそ1%程度に収まっています。

ーーRickyさんが、バリュー株への転換のきっかけとは?

 テクニカル分析についてはかなり学んだのですが、私には向いていなかったようです。大きな利益を得た後に大損をするというパターンを繰り返し、結果的にはあまり成功しなかったのです。

 時間を大量に消費してしまい、不労所得での生活は遠い夢になってしまいました。そのため、ブラック企業で働くのは嫌だと思い、何とかしなければならないと感じました。

 ただ、バリュー株であれば時間はかかるものの、コツコツと取り組むしかないと考え、バリュー株投資へと移行しました。そのころはインターネットが普及し始めていたので、情報収集に役立ちました。

ーーそして今、RickyさんはXで有益な投資情報を提供していますが、それは上記のような経験に基づいているのでしょうか?

 そうですね。仮に10億円を運用するトレーダーの話を聞いても、その通りに行動するのは困難でしょう。

 ですが私のように薄給で、20年以上の時間をかけてFIREを達成したという経験は、多くの人々にとって共感しやすいものであり、投資スタイルについても比較的真似しやすいのではないかと考えています。

 私は信用取引もしていませんし、安全で誰でもできる投資手法を採用していますので、考え方さえ理解すれば誰でも投資を始められると思います。

〈構成・西脇章太(にげば企画)〉