米国株は年後半も上昇トレンド継続、ただしペース鈍化へ-モルガンS

AI要約

米株式市場の上昇トレンドが2024年後半も続く見込みであると、モルガン・スタンレーのリサ・シャレット氏が指摘。ただし、年初来の上昇率が高いため値上がりペースは鈍化する可能性もある。

今年の企業利益の拡大は既に株価に反映されており、投資家は慎重な期待を持つ必要があるとシャレット氏は述べた。しかし、楽観的には大手ハイテク企業以外のセクターにもリターンが広がる可能性があると予想している。

一部の株式強気派が期待している大量の資金流入については、シャレット氏は疑念を抱いており、「津波のような資金流入」説は希望的観測に過ぎないと述べた。

(ブルームバーグ): 米株式市場は2024年後半も上昇トレンドが続く見込みだと、モルガン・スタンレーのウェルスマネジメント部門の最高投資責任者(CIO)、リサ・シャレット氏が指摘した。ただ、既に年初来で2桁の上昇率を記録していることから、値上がりペースは鈍化するとの見通しも示した。

同氏は6日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで「今から年末にかけて最も抵抗の少ない道筋は、相場がさらに上昇することだ」と指摘。とはいえ、S&P500種株価指数は既に年初来で12%上昇しているため、投資家はこれから12月までの株式リターンの大きさについて「慎重な期待」を持つべきだと付け加えた。

シャレット氏は楽観的見方を示しているにもかかわらず、今年の企業利益の拡大は既に株価に反映されており、投資家は年内については25年への期待から「借り入れ」始める必要があるとの考えも示した。明るい面に目を向けるなら、昨年以降の上昇の大部分を占めていた大手ハイテク企業以外のセクターにもリターンが広がっていくと同氏は予想している。

一方、様子見だった大量の資金が間もなく株式市場に流れ込むと一部の株式強気派が推測していることについて、シャレット氏はそれは希望的観測にすぎないと述べた。

モルガン・スタンレーのウェルス部門の指標では、投資家が「かなり十分に投資している」ことが示されていると同氏は指摘。さらに、特にマクロ経済や地政学、11月の米大統領選をめぐる不確実性を踏まえると、マネー・マーケット・ファンド(MMF)が提供する約5%のリターンは「依然として魅力的」だという。

「こうした『津波のような資金流入』説を疑う理由はたくさんある」と同氏は述べた。

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原題:Morgan Stanley’s Shalett Sees Further Gains Ahead for US Stocks(抜粋)

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