なんだこれ!? ステップにある謎の突起

AI要約

マニュアル車のバイクにはバンクセンサーと呼ばれる重要な部品があり、バイクの倒れ込む角度の限界を知らせている。

バンクセンサーが擦るまで安全であるとは限らず、路面の状況や急制動などによっては転倒の危険性がある。

バイクの安全な運転には、バンクセンサーだけでなくエンジンガードやマフラーの位置にも注意が必要。

なんだこれ!? ステップにある謎の突起

 一般的なマニュアル車のバイクのステップの部分を見てみると、地面側に向かって伸びる謎の細長い突起があることに気がつきます。ズボンの裾や、靴紐が引っかかってしまったことによってこの部品の存在に気づいたという人も多いのではないでしょうか。

 この部品は一見邪魔なようにも思えますが、実は非常に重要な役割があります。

 では、どのような役割の部品なのでしょうか。

 ステップの先の突起は、バイクの倒れ込む角度=バンク角の限界を知らせるための部品であり、一般的に「バンクセンサー」と呼ばれます。

 バイクは左右に曲がる際、車体を傾ける構造になっていますが、傾けすぎるとスリップしたり転倒したりしてしまいます。傾けすぎる前にバンクセンサーが地面に当たることによって、ライダーにバイクの限界を知らせているのです。

 このような役割を知っていると、バンクセンサーが擦るまでは、車体を倒しても安全なのではないか、と思う人もいるでしょう。ただし、一概にそうと言うことはできません。

 例えば、路面が濡れていたり、滑りやすいマンホールの上を走ったりすると、傾けすぎていないように思えていてもスリップしてしまうことは多々あります。実際、雨の日に危ない思いをしたという人は少なくないでしょう。

 また、バイクを傾けてコーナーを曲がっている途中に急制動するとバランスを非常に崩しやすく、バンクセンサーが擦っていなくても、転倒してしまう可能性は十分にあります。また、エンジンガードがついている場合や、マフラーを交換している場合は、バンクセンサーより先にそれらの部品を擦ることも。

 バンクセンサーがついているライダー用のステップは、ほとんどの場合可倒式といって固定されておらず、多少擦ってしまってもうまく倒れることで走行に支障を来さない構造になっています。

 一方、エンジンガードやマフラーのように固定されている部品を擦ってしまうと、バイクの重さをその部品で支えることになり、タイヤにかかっている荷重がバンクセンサーに移動してしまいます。そうすると、タイヤが浮いてしまい、スリップ・転倒に繋がります。

 バンクセンサーが地面に触れていないからといって、安全であるとは限らないということを覚えておく必要があります。