多摩川精機 中国に新工場建設 既存工場から移転 生産能力上げ競争力高め【長野県飯田市】

AI要約

多摩川精機(長野県飯田市大休)の松尾忠則社長は、中国に新工場を建設することを明らかにした。EV用角度センサーや産業ロボット用のサーボモータなど、中国市場向け製品の生産能力を強化する計画で、2025年秋の稼働を目指す。

同社は既存工場を持つ中国の江蘇省太倉市に新工場を建設し、生産能力を2倍に引き上げる方針。EV化やロボット産業の成長に合わせた対応を進める姿勢を示している。

さらに、ベトナムでは世界市場向けの車載用角度センサーを生産するなど、経営理念に基づいた成長戦略を展開している。

多摩川精機 中国に新工場建設  既存工場から移転  生産能力上げ競争力高め【長野県飯田市】

 多摩川精機(長野県飯田市大休)の松尾忠則社長は7日、中国に新工場を建設することを明らかにした。電気自動車(EV)に搭載する角度センサーや産業ロボット用のサーボモータなど、中国市場向け製品の生産能力を強化する。9月に着工し、2025年秋の稼働を目指す。

 同日の協力会総会のあいさつで触れた。

 同社は10年、中国の江蘇省太倉市に生産工場を開設。既存工場は賃貸だったが、同じ太倉市に敷地約4万5000平方メートルを取得し、移転する形で新工場を建設する。延べ床面積は約4万平方メートル。具体的な投資額は明らかにしていない。

 新工場では既存工場と同じく、中国市場向けのEV用角度センサーや産業ロボット用サーボモータ、エンコーダなどを生産する。新工場建設で効率化を図り、生産能力を約2倍に引き上げる方針。

 松尾社長は「中国では車のEV化が進み、それに伴いロボットメーカーなども業界地図が変わって中国企業が台頭した。この流れは部品にも表れており、競争力が求められている」と話した。

 多摩川精機は、工場を建設中のベトナムで、欧米など世界市場向けの車載用角度センサーを量産する。防衛関連部品増産に向け第一事業所(大休)に約1万平方メートルの建屋建設も計画している。

 松尾社長は社訓「正義、勤勉、向上」を土台に価値観、将来像、使命を重ねた新たな経営理念にも触れ、「景気の波を乗り切っていける強い会社にするには社員の意思合わせが重要。社員と理念を深掘りし、共に未来をつくり、協力会の皆さんに一緒にやりたいと思ってもらえる会社を目指す」と語った。