〔米株式〕NYダウ続伸、111ドル高=ナスダックは安い(7日午前)

AI要約

ニューヨーク株式市場は雇用統計の影響で一時下落したが、後に続伸した。

5月の雇用統計は市場予想を上回る内容となり、FRBの利下げ観測が後退。

個別銘柄ではトラベラーズやJPモルガン・チェースが上昇し、一部株は急落している。

 【ニューヨーク時事】週末7日午前のニューヨーク株式相場は、米雇用統計が予想より強めの内容となったことを受けた売りが一巡し、続伸している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時37分現在、前日終値比111.94ドル高の3万8998.11ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は13.83ポイント安の1万7159.29。

 米労働省が朝方発表した5月の雇用統計によると、失業率は4.0%と、前月から0.1ポイント悪化。景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月比27万2000人増(前月16万5000人増=改定)と、市場予想(18万5000人増)を大きく上回った。平均時給は前年同月比4.1%上昇と、伸びは小幅加速した。

 米労働市場の堅調とインフレ圧力の根強さを改めて示す指標結果を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月にも利下げを開始するとの観測が後退。米長期金利の指標である10年債利回りが再び4.4%台に上昇する中、ダウは売り先行で始まり、一時130ドル余り下落した。ただ、雇用統計の消化が進むと、連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控えて持ち高調整や値頃感からの買い戻しが活発化し、朝方の下げ幅を一掃した。

 CMEグループのフェドウオッチによると、市場の9月利下げ予想は雇用統計発表後、約70%から約53%に低下した。

 個別銘柄では、トラベラーズ、スリーエム(3M)、JPモルガン・チェースなどがいずれも1%超高となり、ダウ平均の上げを先導。30構成銘柄のうち約3分の2がプラス圏で推移している。一方、引け後に株式1株を10株に分割するエヌビディアは1.4%安。「ミーム株」を代表するゲームストップは20%超急落している。