大人のための自転車教室-ロンドン、NYでサイクリング人口増に貢献

AI要約

ロンドンで自転車利用が増加し、無料の自転車教室が重要視されている。

自転車専用路の整備や安全対策が成功を収めている一方、利用者はまだ男性中心であり、アクセス格差が存在する。

自転車教室を通じて、市民に自転車に関するスキルと自信を与える取り組みが重要性を増している。

(ブルームバーグ): 昨春のある晴れた朝、ロンドンで私は近くのバスケットボールコートの周りを3時間、自転車でぐるぐる回った。

私は自転車を買ったばかりで、交通量の多い都会でのサイクリングに対する恐怖心を克服しようと決心し、地元ハックニー区の自治体が提供する無料教室に申し込んだのだ。フィンズベリーパークのバスケットボールコートに到着すると、指導員のマリオさんはすぐに私の自信のなさと基礎的な技術の欠如を見抜いた。「片手をハンドルから離すのはどう」と聞いてきたので、「とても困る」と私は答えた。

マリオさんは臆することなく、手信号、歩行者がいないかなどを振り返って確認するショルダーチェックなどを教えてくれた。セッションが終わるころには、私は格好良く合図を送ることができ、公道に出る準備が整っていた。

広がる自転車利用

多くの都市と同様、ロンドンも新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時に自転車の利用が拡大した。2018年以来、200マイル(約322キロメートル)以上の指定自転車路と1万7000台分の駐輪場を増設。さらに自動車の排出ガスを一掃して近隣地域をより安全にするため、多くの通りで自動車を閉め出した。

こうした投資には賛否両論あるが、自転車を利用する人を増やすことには成功している。ロンドン市民は23年に、1日当たり126万回自転車を利用した。パンデミック前より20%、前年からは6%、それぞれ増加した。けがを負うパーセンテージは低下しており、自転車専用路を利用する人の70%以上が安全だと感じていると回答している。

ただ、こうした前向きな傾向にもかかわらず、ロンドンで自転車を利用するのは依然として男性が中心で、白人比率が高く、比較的裕福な若者たちだ。

だからこそ、無料の自転車教室のような取り組みがある。自転車に乗るスキル、ツール、自信を与えるプログラムで都市でのサイクリングのための社会的インフラを整えることは、特にアクセス格差を埋めるという点で、物理的インフラと同じくらい重要かもしれない。