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岡山市「バス路線」再編案で公共交通の新時代へ! 「公設民営」とは何か? 市民の移動自由を拡大する戦略に迫る
岡山市で検討されているバス路線再編計画には、「公設民営」方式の導入を含む様々な改革案が盛り込まれている。
具体的には、バス網の再分類や小型車両導入、地域の生活関連施設へのアクセス向上などの施策が提案されている。
計画案にはさらに、JR駅への乗り入れや増便など、利便性向上のための様々な取り組みが含まれている。
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岡山市で検討されているバス路線再編計画で、一部のバス路線で車両購入費やバス停整備費などを市が負担する「公設民営」方式の導入が検討されている。
この方針を決めたのは、2月6日に開催されたバス会社や有識者が参加する岡山市公共交通網形成協議会だ。協議会では「岡山市地域公共交通利便増進実施計画」の第1弾として、次のような案がまとめられた。
・バス網を都心/幹線/支線にわける
・幹線では路線の重複を整理する
・支線部分のコミュニティーバス的に運用する
・鉄道との結節を改善する
・支線では小型車両を導入する
・支線の車両本体やICカードの設備などの費用全額と運行費用の最大65%を市が負担する(この部分が「公設民営」)
計画案によれば、都心・幹線・支線は、次のように分類されている。
・都心:都心内の路線。15分に1本の運行を目標。大量輸送と速達性を確保する
・幹線:都心と拠点間の路線。15分に1本の運行を目標。大量輸送と速達性を確保する
・支線:地域生活圏と身近な拠点の路線。1時間に1本程度を運行。車両を小型化。幹線との接続を考慮する
ここでもっとも重要なのは、支線の路線再編案だ。計画案では、支線の再編案を次のように説明している。
「1便あたりの平均利用者数が10名未満となるなど、需要が比較的小さい区間や時間帯の便については、「支線」に分割した上で、車両を小型化(ワゴンタイプ等)し、運行経費を抑制するとともに、普通2種免許での運行を可能とすることで、運転手不足の解消に対応します。また、大型車両では運行が困難であったエリアも含め、地域の生活関連施設等への路線延伸など、利便性の向上を図ります」
具体的にはどういうことなのか。案のなかで示された岡山市北区の津高台団地周辺の路線を例に説明してみよう。
現在、このエリアには団地の南側に位置する津高営業所を通る次の4路線がある。
・路線1:津高営業所~中央病院~岡山駅・天満屋(岡電)
・路線2:国立病院~岡山駅・天満屋(岡電・中鉄)
・路線3:免許センター・辛香口~岡山駅・天満屋(岡電・中鉄)
・路線4:本村~岡山駅・天満屋(岡電・中鉄)
うち、団地内まで運行するのは路線4のみである。この路線は津高営業所以降岡山駅・天満屋間の利用が多く、収支率は100%を超えている。しかし、団地内での利用は、オフピークには平均一便あたり9人未満と少ない。
一方で、団地から周辺施設へのアクセスはよくない。商業施設や国立病院は、いずれも団地の北側に位置している。そのため、現在、バスでこれらの施設にアクセスする場合には、距離が近いにも拘わらず乗り継ぎが必要になる。
そこで、利便性向上のために示された再編案は次のとおりだ。
・四つの路線のうち一部をオフピークには地域内を運行する支線と、市街地に向かう幹線に分割する
・幹線のうち津高営業所以降の重複区間の便数を集約する
・支線は国立病院まで延伸し、団地から商業施設や国立病院へのアクセスを向上させ、オフピークの利用を促進する
・支線は需要を考慮し小型化し普通2種免許で対応を可能とする
・津高営業所を乗り継ぎ拠点として整備、ダイヤ設定を実施する
このように、再編案では需要にマッチした車両を用いるとともに、生活路線としての利便性を向上させ利用増が図られている。
計画案では、このほかにも、これまで乗り入れていなかったJR駅への延伸・乗り入れを実施し鉄道との接続の利便性の向上、地域内の施設へのアクセスを目的とした環状路線の設置などが提案されている。また、一部の支線は増便を実施することで利便性を高めることも計画されている。