インド首相、連立交渉の準備に着手-与党連合結束強化へ5日会合

AI要約

インドのモディ首相が連立交渉の準備に着手しており、政権維持のために与党が他党の支持を求める状況になっている。

与党連合NDAはパートナーからの支持を確保するために会合を開いており、政権樹立のための議席は確保しているものの、連立を維持する難しさがある。

モディ首相は与党の支持取り付けには政策上の譲歩が必要であり、連立交渉は簡単ではない可能性がある。

インド首相、連立交渉の準備に着手-与党連合結束強化へ5日会合

(ブルームバーグ): インドのモディ首相は、早くも連立交渉の準備に着手する。自ら率いる与党・インド人民党(BJP)が議会で単独過半数を失い、10年前に権力の座に就いて以降で初めて政権樹立のため他党に頼らざるを得なくなった。

モディ氏が3期目の政権をスタートさせるには、パートナーとする地域政党2党の支持を確保する必要があるが、2党は信頼性に欠くことで悪名高い。BJPを軸とする与党連合「国民民主同盟(NDA)」は5日午後、ニューデリーで会合を開く見通しだ。

主要連立パートナーの一つ、テルグ・デサム党(TDP)のN・チャンドラバブ・ナイドゥ党首はNDAへの支持をあらためて表明。「われわれはNDAにとどまる」とナイドゥ氏は5日、記者団に述べ、「NDAの会合に出席する。そのうち、何かあれば記者発表する」と続けた。

4日発表された公式結果によると、与党連合としては次期政権樹立に十分な議席を確保した。ただ、それは結束が維持される場合の話で、BJP単独では過半数の272議席に届かなかった。

モディ氏は政権維持への自信を示し、3期連続の「組閣にNDAは信任を得た」とBJP本部で支持者らを前に4日夜に語った。

だが、連立交渉は簡単ではない可能性もある。モディ氏は初めて首相に就任した14年以来、連立を組んだ経験がなく、パートナーの支持取り付けには譲歩が必要になる公算が大きい。

米ジョージタウン大学でインド政治を専門とするイルファン・ヌールディン教授は「連立パートナーは見返りを強く求めるだろう。政策にも影響力を持つことになる」と指摘。「BJP自身も真剣な計算を行うことになる」と述べた。

モディ氏が支持取り付けをもくろむ2党の指導者には政治的立場を変えてきた過去があり、BJPとは数カ月前に連合を組んだに過ぎない。2党がこの連合を維持するのかは明らかでなく、野党連合の支持に回る可能性もささやかれている。

一方、国民会議派が主軸の野党連合も5日夜にパートナー政党との結束を強化し、政権樹立の道筋を見いだすための会合を予定している。