スルメイカ、今季も不漁か 11隻が初出漁、3隻水揚げなし 函館

AI要約

初夏の訪れを告げるスルメイカ漁が解禁され、初水揚げが行われた。漁獲量の増加が期待されているものの、不漁が予想される状況だ。

過去の漁獲量や価格のデータから、昨季は過去最低の取扱量となったことが示されている。価格も過去最高を記録しており、厳しい状況が続いている。

今後の漁獲シーズンに向けて、スルメイカの分布密度が低い状況が報告され、不漁が懸念されている。しかし、市場関係者は観光客や市民に新鮮なイカを楽しんでもらいたいとの期待を示している。

スルメイカ、今季も不漁か 11隻が初出漁、3隻水揚げなし 函館

 道南に初夏の訪れを告げる今季のスルメイカ漁が解禁され、北海道函館市の函館漁港などに5日早朝、初水揚げされた。漁船の水槽からは生きたままの「いけすイカ」が次々とすくい上げられた。函館名物のスルメイカは今季も不漁が予想されており、関係者は漁獲量の増加を期待している。

 1日が休漁日、2、3日は天候不良で出漁を見合わせ、4日に11隻が今季初出港。3隻は水揚げがなく、5日に初水揚げした「いけすイカ」は約113キロ(昨年約860キロ)にとどまった。午前5時半に始まった初競りでは、「いけすイカ」の最高値は1キロ3800円だった昨年の倍以上の同8000円となった。

 市によると、昨季(昨年6月~今年1月末)のスルメイカ取扱量は、前年比231トン減で過去最低となる317トン。1キロ当たりの価格は1344円と初めて1000円を超え、過去最高を記録した。

 道立総合研究機構函館水産試験場は5月19~22日に津軽海峡周辺から秋田県沖にかけて調査。スルメイカの分布密度は「非常に低密度」で、漁獲尾数は01年以降で最も低く、漁の序盤は不漁が見込まれる。卸売業者「函館魚市場」の美ノ谷貴宏営業部長は「価格はご祝儀相場もあると思うが、例年に比べ水揚げは少ない。函館は新鮮なイカを食べに集まる所。夏から秋に向けて増えてくれることを期待し、観光客や市民にイカを楽しんでほしい」と話す。【三沢邦彦】