道南スルメイカ初出漁 漁師、期待と不安入り交じる

AI要約

函館漁港などで道南スルメイカ漁が解禁され、漁師たちは期待と不安を抱えながら初出漁を行った。

漁期序盤は不漁が見込まれており、燃料代も高騰しているため、漁師たちは厳しい状況に対処している。

5日朝に初水揚げされるスルメイカの初競りがあり、漁期は来年1月末までとなっている。

道南スルメイカ初出漁 漁師、期待と不安入り交じる

 1日解禁した道南スルメイカ漁は4日、函館漁港(函館市入舟町)などから小型イカ釣り漁船が今季初出漁した。今季の漁模様も厳しい予想が出ており、漁師は期待と不安が入り交じる中での初出漁となった。5日早朝に初水揚げする。

 今年は1日が休漁日で、2、3日とも海上しけのため出漁を見合わせていた。4日は午前7時すぎから漁船がエンジン音を響かせ、次々と岸壁を離れた。

 漁師の田原正明さん(64)は「厳しい状況ではあるけれど、とりあえず行ってみる。燃料も高いので、それに見合う水揚げがあれば」、佐藤豊次さん(74)は「風も波もあって水揚げ情報も良くない。漁場に行ってみないと分からない」と話した。

 函館市漁協によると、組合員に販売するA重油価格は、1リットルあたり102円60銭(1~15日、税別)で、前月より1・4円値上げし高止まりが続く。漁師は片道6時間掛け青森県・小泊沖の漁場に向かうため、燃油代の負担が大きい。

 道総研函館水試が今年5月に実施した調査でも、津軽海峡周辺~秋田県沖での分布密度は「非常に低密度」と予測、イカ釣り機1台1時間当たりの漁獲数の平均は2001年以降で最も低く、漁期序盤は不漁が見込まれている。

 スルメイカは5日朝、初水揚げされ、市水産物地方卸売市場でいけすイカの初競りがある。漁期は来年1月末まで。