〔東京外為〕ドル、155円台前半=米雇用指標悪化などで下落(5日午前9時)

AI要約

米JOLTSの悪化により、東京外国為替市場でドルの対円相場が1ドル=155円台前半に下落。

日銀国債購入減額への思惑と米国の金利低下が影響し、ドル売り・円買いが続く状況。

ユーロも対円は下落し、対ドルはわずかに安い状態。

 5日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、4月の米雇用動態調査(JOLTS)の悪化などで売りが強まり、1ドル=155円台前半に下落している。午前9時現在、155円11~12銭と前日(午後5時、155円38~38銭)比27銭のドル安・円高。

 前日の海外市場では、欧州時間は日銀国債購入減額への思惑から154円70銭台に下落。その後、155円20銭台までのレンジで上下した。米国時間の中盤は、4月の米JOLTS悪化で一時154円50銭台に急落。終盤は154円80銭台に持ち直した。東京時間の早朝もおおむね同水準で推移した後、午前9時に向けてやや買われている。

 前日の欧州時間には、一部の外資系通信社が「日銀が来週開催の金融政策決定会合で国債買い入れの減額を具体的に検討する公算が大きい」と報道し、ドル売り・円買いを誘った。4月のJOLTSで非農業部門求人数が前月比29万6000件減の805万9000件と2カ月連続で減少。市場予想(ロイター通信調べ=835万5000人)も下回り、米長期金利が一段と低下。ドル円は下押しを余儀なくされた。

 東京時間は「なお売りが出やすい」(FX業者)ものの、前日の東京時間正午前後からは大幅に水準を切り下げており、「いったんは押し目買いも入る可能性がある」(大手邦銀)という。もっとも、「日銀の国債購入減額への思惑から上値の重さは意識される」(同)ため、「買い一巡後は下値模索となるかもしれない」(同)との声が聞かれる。

 ユーロも対円は下落、対ドルは小安い。午前9時現在、1ユーロ=168円78~80銭(前日午後5時、169円20~21銭)、対ドルでは1.0881~0881ドル(同1.0890~0890ドル)。